介護士と介護福祉士の違いは⁉ 専門性から見える求められるスキル

介護士と利用者

介護福祉士をイメージするとき、介護利用者の身の回りのお世話をするヘルパー(介護士)と同じじゃないの? というのが一般的な捉え方だと思います。確かに介護福祉士には介護士としての役割も求められますが、上位資格であることから、介護の現場においてより専門性の高いスキルが求められます。ここではその介護福祉士に求められる専門性についてまとめてみました。

介護士に求められるスキル
大きく分けて3つのスキルが求められます。
 

・介護職の守るべき倫理
介護に携わる他の職員と力を合わせて、介護を必要とする方のプライバシーを保護し、今まで築いてきた生活習慣や価値観を大きく変えることなく、本人の意思・決定を優先させながらも、安心して暮らしていくためのサポートをする。

 ・介護実践
介護を必要としながらも、ひとりひとりがより自立性をもって生活できる範囲を広げ、社会との関わり合いを保てるよう、きめ細やかな配慮により危険をいち早く見つける。
 

・介護実践に関連する業務
他介護職員へ業務の引継ぎが円滑に行えるよう、介護を必要としている利用者情報を丁寧に集め記録する。

どれも介護職に就き、介護の現場で働いていれば常々求められるスキルとなりますが、介護福祉士はこのスキルに加え、さらなる専門性を持った能力が求められます。

介護福祉士に求められるスキル
介護福祉士は国家資格であり、福祉事業所を開業することも可能なサービス提供責任者になることができます。ゆえに介護士とのスキルに加え、介護を円滑に進めていくうえで責任者としてのスキルが求められます。

 ・介護職員への指導・教育
介護福祉士への指導において大事なのは個々の介護に対する知識と技術向上です。それだけではなく、介護をされる方が将来に向けての自立支援に対して、介護技術などについてどうすれば高品質な介護をする事が出来るのか、その指導と助言を行う事によって人材の育成にも貢献することを求められます。

・他業種との連携を含めた介護環境の整備
介護施設の設備や環境の充実、介護職員のスキルアップに加え、その他の福祉サービスに従事するスタッフとのスムーズな連携を行う仕組みづくりが求められます。

・介護必要性の根拠を見出し、実践に即した介護の実施
求められる介護と提供する介護にズレが生じてしまうことほど、双方にとって不幸なことはありません。このため、介護を求める方が快適に暮らしていくうえで、その必要性のポイントをしっかりと見分け、的確な介護を提供していく判断と実践が求めまれます。
こうやって見ていくと、介護福祉士に求められる専門性とは、介護の現場においてより的確な介護サービスを提供していくうえでのしっかりとした土台づくりであることが理解できるのではないでしょうか。

まとめ
介護福祉士に求められる専門性とは、『介護に関する専門知識や高度な技術ノウハウを活かし、介護者やその家族のサポートといった介護の基本的な枠組みを踏まえつつ、より最適な介護を提供する環境づくりの責務を負うこと』といえるでしょう。