新型肺炎の影響において全国的に雇用情勢に厳しい状況が見られる昨今。その中でも、介護職の4月の有効求人倍率は3.24倍と高い事が分かります。
今回は、人手不足の介護業界における原因と今後の対策について見ていきましょう。
人手不足の原因No.1は「職場の人間関係」
ここ数年、日本の労働環境に関する深刻な社会問題の1つに「介護職の人手不足」が挙げられます。これらの問題で、サービスを続ける事が難しくなってしまった事業所や介護施設も少なくありません。
それによって、入居待ちが何年も出ているという事例は決して珍しくないそうです。
平成28年度の「介護労働実態調査」データによると、1年間で介護の離職率は16.7%で、これは5~6人に1人が毎年退職している割合に当たります。
また同調査で分かった退職理由、1番の原因は「人間関係」によるもので全体の23.9%を占めていました。
改善するために必要なこと
離職率の大きな原因に「人間関係」による悩みを挙げましたが、それらを改善する為にユニットケアの導入以外では「メンター制度」があります。
メンター制度とは、知識や技術の経験を積んだメンター(先輩社員)が、メンティ(後輩社員)に対して行う個別の支援活動のことをいいます。
離職の原因が介護現場での能力開発や人間関係にある場合、メンター相談役制度を設けることで、モチベーションを上げながら定着率をアップさせる事に期待が出来ます。
メンター制度を入れることで、後輩社員が抱える悩みや問題点が改善されれば、定着率だけでなく「人間関係の改善・スキルの向上・キャリア形成」にも期待が持てるでしょう。
ただしメンター役の介護スタッフに任せきりにするのでなく、施設全体でサポートする体制があることが大事です。
外国人介護人材を受け入れる
急速なグローバル化と共に、介護業界にも外国人を受け入れる動きが拡大しています。近年では2020年夏までに、1万人のベトナムの方を介護人材とし技能実習制度を通じて、日本で働く事が出来るようにベトナム政府と日本政府が合意したという報道がありました。
介護の人材不足の問題を解消することは、外国人の労働力を活用しなければ難しいとこの報道から分かります。
介護福祉士資格取得の推奨
介護福祉士は介護職の国家資格になります。取得をすると仕事の幅や給与がアップします。厚生労働省の介護福祉士等修学資金貸付制度を利用すると、資格取得後の5年間、貸与を受けた県内の介護施設で業務に携わると、借りた諸学金が全額返済免除になります。
まとめ
今回は介護職の人手不足を解消するために、事業所が取り組むべき項目について見ていきました。団塊世代が後期高齢者となる2025年まで後、数年。人材の確保が急務となっています。
コメントを残す