介護施設における感染対策のアイディアとは

新型感染症が世界的に広がっていますが、ロックダウン(都市封鎖)などの隔離措置から通常の態勢に移行する為に、ウィズコロナの対策が重要視されるようになりました。
一般企業では、可能な限りのリモートワークや時間帯をずらしての出社などの対策が取られていますが、介護の現場ではそうは行きません。
介護施設における感染対策のアイディアについて考えてみましょう。

感染症対策の基本

予防する方法としては「感染経路の遮断」「感染源の排除」「抵抗力の向上」があります。介護施設では、高齢者が多い為、抵抗力が弱い人が多く、感染した場合のリスクが高まります。
高齢者を守る為の感染症対策の重要性を認識する事が第一です。

1.感染経路の遮断 施設の出入りを徹底的に管理して、マスクとアルコール消毒、外出から戻った場合の、手洗いうがいを習慣づけます。
2.感染源の排除 不要不急の外出を避けて、新型コロナやインフルエンザなどの感染情報をこまめにチェックして、感染源に近づかないようにします。
3.抵抗力の向上 施設で出す食事には個人ごとの栄養価の指定がありますが、医師と栄養士の連携を図り、食事による抵抗力の向上に努めます。

施設で行う対策

介護職員は対策マニュアルなどを参考にして行動をしましょう。

1.予防の為の正しい知識を学ぶ事が重要です。
2.感染症が発生した場合の処置を適切に行います。
3.管理体制を作り、感染対策チームや管理者を設置します。
4.行政や医療機関との連携を図り、情報の更新と連絡や届出を図ります。
5.職員に対する健康管理と、感染した場合の療養と回復と復帰に向けた体制を作り、安心して働ける職場にする事も大事です。

利用者が感染した場合の対処法

利用者の為に適切な処理を行い、2次感染を防ぐ対策を実施して、関係機関や病院への連絡を行います。

1.利用者を隔離して、すみやかに保健所に連絡します。
2.洗濯物などを個別に洗濯・消毒し、感染リスクに応じて場合によっては廃棄処分します。
3.家族の面会や、入居見学を制限します。できるだけ家族に状況報告を入れます。

感染対策のアイディアを実施する

施設内で従事するには、普段から細かい作業を徹底的に実行する事が大事です。ウイルスや細菌は目に見る事ができませんので、普段から手に触れる作業を減らす工夫などのアイディアが有効的です。アイディアは、使う上での不便を解消する為の工夫なので、改良しながらベストな方法を探る事です。

1.手に触れない為に、足(靴)で開くタイプのゴミ箱を設置します。
2.他人に接触しない為に、使い捨ての手袋を個人ごとに常備します。
3.マスクだけでなくフェイスシールドなどで、2重に対策をします。
4.出入口を2段階にして他人と接触を避けます。
5.出入口に消毒液やマスクの予備を設置します。簡易的な手洗い場が設置できると良いでしょう。
6.食事は利用者ごとに時間をずらすか、アクリル板などで個別に食事ができるなどの対策を取ります。
7.空気の入れ替えや加湿器の設置を行います。
8.定期的に感染検査を実施します。
9.家族との面会は、テレビ対談などを実施します。
10.職員はプライベートの行動を記録するなどして自己管理に努めます。

まとめ

介護施設における感染対策のアイディアとは、その職場の環境に応じて改良して行くものです。自分達のアイディアを同じ介護事業者とのネットワークを通じて、お互いが介護業界と利用者の安全確保と信頼関係の為に、切磋琢磨して行くように努力する事が必要と言えます。