介護記録の書き方を例文で紹介

介護サービスを提供する際に必要になるのが「介護記録」です。介護事業に携わる立場の者として、利用者の日頃の介護に関する情報を盛り込んで、誰が見ても理解できる書き方をしなければなりません。介護記録のルールと記入例について紹介します。

介護記録の目的をルール化

誰が見ても分かりやすく情報が伝えられるような記入方法をする事で、職員同士での連携がスムーズになり、共有できるようになります。
介護記録がある事で、職員だけでなく利用者さん及び家族とのコミュニケーションツールとして利用できて、サービスやケアプランの作成の参考にもなります。

介護記録は、介護職員の意識の向上や専門的な知識や介助にも役立てられ、この記録がある事で、事故やケガに対する安全性も管理する事につながります。万一の場合の自分を守る証拠にもなります。

記録の方法について

記録伝達の基本には「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」の5W1Hによって分かりやすく記載する事が上げられます。
この場合は、詳細な方法を時間による記録で行い、どのような行動があったのか、具体的に示す必要があります。

また、言動については「誰が誰に何をしたのか」なども個人名ではっきりと記載します。

さらに、自分の主観や感情を伝えるよりも、起こった事実に対して、状況を客観的に示す事で分かりやすくなります。
どうしても主観的な情報を伝えたいのであれば、事実と主観がはっきりと区別できるような書き方が必要です。

介護記録は、職員だけでなく家族や利用者も閲覧できるようにするので、専門的な言葉や分かりにくい曖昧な表現は避けて誰が見ても理解できるようにしましょう。
大雑把な表現や想像できない書き方は避けましょう。はっきりと明確に記す為にも「~だ、~である」の表現を使用しましょう。

1.利用者さんの行動や状況報告

2.利用者さんの心身の状態確認

3.根拠や理由に基づいた職員の行動

4.結果報告を記す

具体的な記入例

具体的な記入例をご紹介していきましょう。

利用者の食事の記録

〇「良い例」

朝食時に佐藤さんは、自分で「頂きます」と言って、箸を右手に持って、最初の1口が進まず、じっと静止したままだった。
職員の鈴木が「食欲がないですか」と尋ねると、我に返った様子で、食事を進めると最後まで完食できた。

〇「悪い例」

朝食時に佐藤さんは、食が進まずに動かなかった。声をかけるといつものように完食した。

〇「判断」

朝食時の場合の具体的な場面を想像できるように行動の変化なども詳細に記載する。食欲については、憶測ではなく確認後の事例として記入する。

利用者の体調や精神面の記録

〇「良い例」

佐藤さんは、自分の部屋のイスに腰かけて、体を丸めたままでうつむいており、職員の鈴木が「どうしましたか」と尋ねると「膝が痛くて立てない」と答えた。
手足の末端の状態は、冷えやむくみは見られず、脈拍が毎時90と高く、顔色が紅潮しており、体温は37度だった。

〇「悪い例」

イスに腰かけた佐藤さんは、膝が痛いと話した。

〇「判断」

痛みがあるような場合には、声かけして具体的な部分や気分をわかるようにします。脈拍や体温だけでなく、痛い部分の状態も確認しましょう。
後ほど医者に診察してもらう場合に経過を報告できるようにします。

利用者のレクリエーションの様子

〇「良い例」

毎月の5日にあるレクリエーションでは、カラオケ大会があり、佐藤さんを誘うと「歌ってみようかな」と言いながら自分から進んでグループの輪の中に入り、利用者の高橋さんのとなりで、楽しそうに1曲歌った。

〇「悪い例」

久しぶりにカラオケ大会に誘うと喜んでいた。

〇「判断」

「久しぶりに」「だいぶ」のように時間や量を表す表現は避けるようにして、具体的な数値を記録します。「笑顔で」や「喜んで」の場合は、利用者の的確な表現よりも曖昧になるので、利用者の発言や仕草をそのまま伝えます。

まとめ

書き方のルールは、先輩方の記録方法を参考にして同じ様に記録を残す事と、客観的な事実をそのまま伝達できるようなるまでは、大変かもしれませんが周りの先輩方の意見を聞く事で、介護記録の方法を身に付ける事ができるでしょう。

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