介護および福祉の分野における国家資格・介護福祉士。その国家試験を受ける際、受験者の条件によっては実務経験証明書の提出が必要となります。
これはどのような書類であり、なぜ提出しなければならないのか、記載内容について確認しながら見ていきたいと思います。
介護福祉士の役割
身体的・精神的なハンディキャップを負い日常生活が困難となっている方について支援を行うのが介護福祉士の主な役割となります。
具体的な業務としては、介護対象者の食事・入浴・排泄・着替えなどの身体介護や、訪問介護における食事の支度・洗濯・清掃など日常生活の援助、介護対象者本人もしくは家族へのアドバイスなど相談対応、といったものが挙げられます。
介護福祉士は、介護に関する専門知識や技術に精通していることが求められ、現場においては介護実務を行う複数のヘルパーに指示するリーダー的役割も果たします。
介護分野のスペシャリストに位置付けられている資格と言えるでしょう。
介護福祉士の受験資格
介護福祉士には、介護における高い専門性が要求されており、それゆえ国家資格に位置付けられています。国家試験に合格することで介護福祉士の資格が得られますが、誰でも受験できるわけではありません。
介護福祉士の受験資格を得るには、2通りの方法があります。
1つは、福祉系高等学校および専門学校・短期大学・大学の福祉系学科など、養成施設を卒業する方法です。
かつては、専門学校・短期大学・大学の福祉過程を卒業することで介護福祉士の資格を得られましたが、平成29年度、社会福祉士および介護福祉士法が改正され、介護福祉士になるには例外なく国家試験の合格が必要となりました。
法改正前後に在学中であった場合には特例措置もありますが、今後は原則国家試験必須の方向で定着していくことになります。
もう1つの方法は、実務経験を重ねることにより受験資格を得る方法です。 この場合、介護業務に3年以上・実働日数540日以上従事し、加えて介護の基礎的スキル修得を目的とした介護福祉士実務者研修を修了していることが受験資格の条件となります。
実務経験証明書とは
介護福祉士の受験資格を実務経験により取得する際、必要となるのが実務経験証明書です。これには、受験志願者の介護業務の実務期間および勤務先である介護福祉施設が記載されることとなります。
その文書が、受験資格の条件の1つ・規定の実務期間を確かに満たしているという証となるわけです。 実務経験証明書の発行は、勤務先である福祉施設が行います。
介護の実務期間について、本人以外に客観的に証明可能な立場にあるのは、就労状況およびその業務内容を把握している勤務先のみです。
そのため、実務経験証明書は勤務先が発行することとなっているわけです。 加えて、確かに福祉施設が作成した文書であるという証明のため、理事長や施設長など代表者の署名・職印も必要となります。
まとめ
以上の内容について要点にまとめると、以下の通りとなります。
◆介護分野の国家資格である介護福祉士の受験資格を得るには2通りの方法がある。
方法1:介護関連の養成施設を卒業する。
方法2:実務経験3年以上・実働日数540日以上の介護経験を積み、併せて介護福祉士の実務者研修を修了する。
◆実務経験によって受験資格を得る際には、実務期間の証明に相当する実務経験証明書の提出が必要。
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