行政の現場で活躍する保健師に必要な知識

保健師は、乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層を対象に、健康増進や病気の予防のための知識が必要になってきます。
そこで今回は、特に行政保健師に必要な知識について考察していきましょう。

保健師になるには?

保健師になるには、「看護師国家資格」と「保健師国家資格」が必要です。資格取得ルートとしては、看護師の資格を取得後、保健師養成学校で一年間学んだあと保健師資格受験要件が得られます。また、4年制大学の看護師、保健師課程を修了することで看護師、保健師の両方を受験するルートがあります。

保健師が学ぶ内容とは?

保健師になるためには、主に以下のカリキュラムを学びます。

保健福祉行政論

保健福祉行政論は、行政の立場から地域の人々の病気予防や健康増進を図るために、計画を立て実施するための方法や仕組みを立案し、保健師として実際の取り組み方を学ぶ科目です。
この過程では、乳幼児、母子、未成年、成人、高齢者、障がい者や、また感染症や難病に対して、保健師の対応や活動について学びます。

保健統計学

保健統計学は、医療、福祉、保健の事例を通して、さまざまなデータから考えられる問題点を分析して、予想されることについて対処方法を学ぶ科目です。

例えば、統計を通して「地域別、年齢別、男女別」にみた、「さまざまな病気の患者数や疾病、がん検診の受診率、一般検診の受診率、特定健診率」などからデータを読み取る力は、現場に出て働く場合、とても大切で重要となります。

疫学

疫学とは、インフルエンザなどの感染症などの流行する疾病に対して、予防方法や感染症の対処方法について学ぶ科目です。

公衆衛生看護学

人々の健康に害を及ぼす環境や行動、社会的な要因を取り除き、または、その要因を排除するために行政機関の組織を通して、社会活動として取り組むことです。
また、病気の予防を第一に考えて、人々が健康を維持して、自立した生活を送れるため公衆衛生や社会環境を整えることを目的としたことを学ぶ科目です。

保健師にもっとも必要なコミュニケーション力

行政保健師は、地域の母子から高齢者まで多くの方を対象とした、健康増進や病気の予防などのエキスパートです。
役所などの公共機関の窓口であったり、必要であれば自宅訪問をして、幅広い世代や性別の方と向き合い、健康についての悩みを聞くことから始まります。

さまざまな人の相談を聞いて、カウンセリングをおこない的確な保健指導をするためには、相手の「話を聞く」こと、「話すこと」「伝える」のコミュニケーション力が重要となってきます。

まとめ

保健師に必要な知識は、看護師としての医療知識以外にも、上記で説明した通り多岐にわたります。大学や養成校で学ぶ知識とともに、実習などで実際に人と触れ、コミュニケーション力も学ぶことで、就職先でも保健師の必要な知識が活かされてくるでしょう。