保健師活動でのグループ支援に期待できる効果

保健師の仕事は、病気になることを予防するため、健康の促進や管理のためのアドバイスすることを目的としています。産業保健師や学校保健といった特定の人数をみる保健師もいますが、市町村などを対象とするような保健所ではかなり多くの人を対象に、健康管理や健康指導を行うことになります。
そのような多くの人を対象とした活動の中でグループ支援がありますが、そこにはどのような効果があるのでしょうか。

■グループ支援に期待すること

保健師の仕事の中で、グループ育成・支援があり、グループには1対1での援助ではなしえないそのグループ毎の治癒力があり、予防への可能性もあります。
また、育成したグループがその地域社会の健康度や住みやすさにも影響していくのです。このようにグループ支援がもたらす効果は、その地域の健康水準を高め、さらにはこれからの地域活動の発展にもつながるのです。

■グループ活動の必要性

現代社会では、家族機能が低下にしていることによる単身高齢者世帯の増加や、地域のつながりが希薄化することによっての地域コミュニティの衰退もみられています。
また、育児支援の重要性が指摘されるとともに、働きたいが職を持たない非正規職員が若い世代に増加をするなど、多くの課題も抱えています。

そのような社会環境の変化が、より保健師を必要としている背景となっているとともに、地域住民のグループ活動があることによって、人々が健康で豊かに活き活きと生活していくことにつながっていきます。

例えば、核家族化になりがちな現代、育児で悩んでいるお母さん方で、育児グループを発足し悩みを共有し合い、相互に支援しあうことで育児の楽しさを共有できる仲間づくりができれば育児不安から脱するだけではなく、子どもを通じてコミュニティが広がっていくことで新たな発見を見出していくことにもなります。

他にも、高齢者が介護予防のために身体を動かすことについては、保健師による支援活動に加え、自主的な活動が付加されることで成果が期待できます。
グループで運動する仲間がいることによって、次回の活動が待ち遠しくなるような相互支援も不可欠となります。

■保健師が感じるグループ支援の難しさ

グループ支援について保健師が感じる難しさとして、多忙な業務の中での余裕のなさが挙げられています。平成27年度の全国保健師交流会検討資料において保健師を対象とした全国調査では、約7割の保健師が日々の業務をこなすことに追われていると回答したと述べていて、保健師を取り巻く状況による難しさがあると考えられます。

また、グループ活動に関わる支援者間の協力体制を作る大変さもグループ支援を継続していくなかでは難しいとされるところでしょう。

■まとめ

以上のようにグループ支援は健康増進への働きかけの観点からも極めて重要ですが、これらの活動の必要性の認識は徐々に進んできているものの、まだどのように展開していくかということでの問題性も問われています。