2000年に始まった介護保険制度ですが、政府は段階的に介護福祉士の数を増やす施策を取ってきました。2018年当時、介護福祉士登録数は1,55,8897人であり、その中でも介護福祉士として介護や医療・福祉の現場で働いている人は、全体の6割に過ぎません。ではなぜ、介護福祉士の資格を保有しているにも関わらず、介護の仕事に従事していないのでしょうか。それに加えて離職率の高さはなぜなのか、人材不足と対策について解説しましょう。
■高齢化の現状
2018年には65歳の高齢者の数は35,150,000人と、全人口の27.7%を占めています。実に全人口の3割弱の人が高齢者ということになります。現在は4人に1人が高齢者ですが、人口減少や少子高齢化に伴い、高齢者が増加していくペースは今後、上昇傾向にあり介護職現場で働く若者が減ることで、介護職の人手不足が加速していくことが考えられます。
■人手不足が続いている介護職員今後の予測
厚労省の試算では6年後に迫った2025年団塊の世代が75歳の後期高齢者を迎え、一気に高齢者が増える2025年には、介護職員が約2,450,000人の必要人数に対して約370,000人介護職員が不足するだろうとの推計が出ています。
今後、飛躍的に介護の担い手が必要となってくる中で介護ニーズに対応できないといった介護需要に対して供給が間に合わない事態が到来しています。
■介護現場の人手不足を解消する対策
このままの現状で推移した場合、介護職員不足を解消するための施策として2017年に人材確保に関する介護職人材の定着について法案を閣議決定しました。
1・介護職員処遇改善
2019年10月から勤続10年、または、同一職場以外でも経験を積んだ能力の高い介護福祉士(1人以上)に事業所の裁量で月額8万円の処遇改善手当が支給される。(10年の実務経験を積んだ介護福祉士でも全員が支給されるわけではない。)
2・在留外国人の受入れのための入管法と環境整備
3・定着促進・研修受講負担の軽減
4・介護職の魅力向上のための介護の仕事の理解促進
5・復職支援としての再就職準備金
■まとめ
いかがでしたか。介護福祉士が少ない介護の現場の現状とその対策について考えてみましたが、2025年問題を前に専門性を持った介護福祉士に寄せる期待はますます重要となってきます。
急激な超高齢化の進行に対して、政府の施策は後手に回ってる気がしてならないと感じます。もっと大胆な改革が望まれるところです。高齢者は確実にに増えています。
また、要介護者が安心して介護が受けられる社会をつくるためにも、2025年問題で必要な370,000人の介護従事者の確保が重要課題だと考えます。