看護師も保健師も同じ医療の資格ですが、その仕事の内容は大きく違ってきます。それぞれどの様な目的を持った職種なのか解説していきましょう。
■看護師の仕事
主な内容は、病気やけがをしている人に対して、健康回復や日常生活援助を支援したり、医師の指示のもと、療養している人などに対して治療をしたり、医師の補助を行ったりする仕事です。
働く場所は、病院・診療所・介護施設・福祉施設・訪問介護ステーションなど多岐にわたっています。
■保健師の仕事
保健師は、「行政保健師地域」と「学校保健師」「産業保健師」の3通りの職場があります。一番多いのが公務員として市町村役場や保健所、保健センタ―で働く行政保健師です。
その仕事内容は、地域の住民が健康で生活できるように、個人や家族への生活指導や生活環境についてのアドバイスなどです。また、乳幼児健診や母親を対象とした母親学級、母子の保健に関する活動、その他地域住民の健康づくり事業の企画、実施、メタボリックシンドロームの予防に関する指導を行います。さらに住民検診の補助や、検診後の再検査の啓発活動やアドバイス、保健指導をおこないます。
◎産業保健師
会社において、社員の健康相談や最近多くなってきたメンタルに関する相談指導や、健康診断後の保健指導生活習慣の見直しに対する指導などを行います。
◎学校保健師
保健室の養護教諭として生徒や教員の健康相談や健康相談や相談指導や生活習慣の見直しの指導などを行います。
◎病院保健師
ごくわずかではありますが、病院で働く保健師もいます。病院での健康診断や健康相談を行うほか、看護師の仕事と兼務することが多いです。
■保健師になるためのルート
①保健師になるには、専門学校(4年制)や、大学で保健師看護師の統合カリキュラムを履修した後、看護師国家試験と保健師国家試験にどちらも合格しないといけません。(看護師試験のみ合格した場合は、看護師としての資格を得ることができる)
②3年制の短期大学や専門学校の看護師養成課程の場合は、卒業後看護師の国家試験を受験できることはできるが保健師国家試験の受験資格はありません。
その場合、看護試験に合格した後、保健師養成学校(1年制)に通う必要があります。また、看護師受験に合格後、看護系大学保健師養成課程からの3年次編入し、保健師カリュキュラムを履修すれば受験資格が可能となります。
■まとめ
保健師と看護師では、その国家資格や活躍する場が大きく違ってきます。看護師が3年で受験資格を得ることができるのに対して、保健師は受験資格を得るのに4年かかります。
その違いは、保健師はより多くの医学的知識に加えて、幼児から高齢者などに対して幅広い知識が必要となり、地域の健康アドバイザー役としてのコミュニケーション能力などのカリキュラムを学ばなければいけないからです。