保健師国家試験の難易度を合格率からみる

学校などの教育機関や保健所といった場所で健康診断を行ったり、個人宅を訪れて健康に関する指導を行うなど地域住民の健康をあらゆる面からサポートするという役割を担っている保健師として働くには保健師国家試験に合格しなくてはいけません。
元々は助産師のように女性しか受験資格はなかった保健師も平成6年より男性も受験できるようになりました。今回は、そのような保健師国家試験の難易度を合格率からみていきましょう。

■受験者数の推移

保健師国家試験の受験者数は、平成20年度から増加傾向にありましたが、平成26年度には約16,500人だった受験者数も平成27年度には約8,000人減少しています。
これは、大学での保健師カリキュラムが選択制や選抜制になったことで履修する生徒が減少したことも関係していると見られています。

■合格率の推移

平成18年第92回の受験者数10,395人の内、合格者は8,182人で78.71%の合格率でしたが、翌年の平成19年第93回は受験者数11,140人の内、合格者は11,029人で99.00%の合格率となりました。
近年でみてみると、平成27年の第101回では16,622人の受験者数の中で16,517人が合格をし、合格率は99.4%となっています。

合格率から行くと毎年9割前後というところです。保健師の合格率は年度によって大きく変わっています。
合格率の低い年度に当たってしまうと例年より合格が難しくなってきますので、毎日の勉強が重要となります。

■新卒が合格率高め

合格者の内訳をみると、第100回の試験では新卒の合格者が88.8%であるのに対して既卒の合格者は36.1%。第101回の試験では新卒者は92.6%の合格者だったのに対して既卒者は43.1%という結果から、知識の定着率は学校で専門的に就学し国家試験に臨んだほうが合格しやすい傾向にあるとみうけられます。

■保健師国家試験のボーダーライン

保健師国家試験は介護士国家試験とは異なり、基準の点数を満たすことで合格となります。その基準の点数というのが第100回の試験で一般問題を1問1点(75点満点)、状況設定問題を1問2点(68点満点)総得点のうち87点以上がボーダーラインとなりました。

■まとめ

看護師とは違い、保健師の場合は病気の人だけではなく病気の予防に関しての指導に関わることができます。
看護師ほど勤務が不規則になることもないですし、年齢を重ねても続けていけるのがこのお仕事の魅力でしょう。また、保健師養成課程のある学校できちんと勉強をしておくと資格は取得しやすくなります。