介護保険法の法律改正による介護職員初任者研修のこれから

介護職に関係するみなさんにとって、「平成25年4月1日の介護保険法施行規則」とは、どう捉えているのでしょう。なんとなく資格の名前が変更されたぐらいに考えている方もいるのではないですか。介護保険法の法律改正による介護職員初任者研修のこれからについてどうあるべきか考えてみたいと思います。

■介護職を統一して資格のルートを1本化

以前まで「介護福祉士」という国家資格に対しての受験資格や条件がいくつもあって、場合によっては、条件の内容に格差が生じたり、介護現場での知識と実務に混乱をまねいたように思います。しかし、「介護保険法施行規則」によって、新しく制度を見直して誰にもわかりやすい制度作りを実行することになりました。

これによって、以前あった「ホームヘルパー」資格を段階的になくすことになりました。ホームヘルパーの1級から3級までの制度はなくなり「介護職員初任者研修」と「介護職員実務者研修」の2種類に分けたのです。介護職の資格は、ピラミッド型に体制づけられて、「介護福祉」の頂点には、「認定・介護福祉士」が最も資格と共にキャリアも認められる存在になっています。

その下に国家資格である「介護福祉士」がいて、通常はこの資格を目指して「介護職員実務者研修」があり、その下の「介護職員初任者研修」という資格に形づけられました。

■「介護職員初任者研修」は介護職の入り口である

「介護職員初任者研修」は介護職の実務においては初歩的な位置づけになっています。しかし、この資格で介護者に対して行える行動は制限されているので、補助的な立場でしかありません。それでも、介護の現場では、慢性の人手不足が心配されており、「介護職員初任者研修」はスキルアップを余儀なく望まれることでしょう。

「介護福祉士」の新たな受験資格として3年以上の実務経験と「介護職員実務者研修」の修了が必須となっていますので、国家試験を受ける受けないに限らず、当面の目標は「介護職員実務者研修」の修了を目指すことになります。

■訪問介護から施設介護へ

ホームヘルパーの役割が訪問介護のための知識や実践を学ぶことでしたが、「介護職員初任者研修」は施設介護の勤務に対してより内容を深めた教育となっています。

◎訪問介護の内容
自宅での生活において日常的なサポートが必要な高齢者や障害を持った方が対象になっています。利用者のサポートへは、決められた時間に訪問して日常生活の手助けをおこなっています。

◎施設介護の内容
老人ホームなどの施設で、高齢者が寝泊まりして生活を行う場所で、利用者は自力での寝起きや生活ができないので、介護職員は利用者が起床してから就寝するまでのサポートを行う事です。長時間におけるサポートと体調管理まで行う仕事になります。

※厚生労働省は、この研修の受講対象には施設介護の内容をとり組み知識や実践を実行できるまでに基本教育に力を入れる事にしました。

■まとめ

介護保険法の法律改正による介護職員初任者研修とは、キャリアアップ制度を1本化することで、介護職の知識(わかる)と実践スキル(できる)の両方をわかりやすく統制されたものになっています。

しかし、介護の現場はより良い知識と経験によって裏付けされるものです。介護職員初任者研修にとどまることなく国家資格の「介護福祉士」を求めることが、多くの介護関係者が望んでいることではないでしょうか。