保健師の資格を取得したけど、実際どういった知識があれば役立つのでしょうか。看護師として働いてきたけど、保健師に転職したい。
資格を持っていても、いざとなった時、どういった知識が必要なのか分からない。そういった疑問を解決するため、保健師と活躍していくうえで必要とされている知識についてみていきましょう。
■様々な現場で活躍する保健師
保健師には大きく分けて4種類の職場=保健師の種類があり、それぞれ働く場所によって求められる知識は様々です。
・行政保健師
・学校保健師
・産業保健師
・病院保健師
基本的にはこのように分けられます。
■行政保健師に求められる知識
都道府県の保健所や、地域の保健センターで働くため、その地域の特性や環境を理解するのも重要です。
地域情報に目を通すだけだと、サポートを求める地元住人からすれば、期待した対応がしてもらえないんじゃないかといった疑問や不安が出てくるでしょう。
業務的な話だけでなく、間に世間話を加えると相談に来てくれた人も打ち解けやすいですし早期解決にも繋がっていきやすいと思います。
また行政保健師の活動する地域社会は、年齢層が広く、様々な相談が寄せられるので多くの知識が必要となります。
・年齢層に沿った制度はどのようなものがあるのか。
・虐待やDVでは、過去にどのような事例があるのか。
・エイズや難病の方には、どのようなサポートが必要とされているのか。
等といった知識をある程度入れておくと役立つでしょう。
■学校保健師に求められる知識
基本的に保健室での業務が主となりますが、発達障害や病気について理解しておけば、対処方法を色々な方面から考えることが出来、学生の健康面や精神面の両方でサポートしやすくなります。
自分が勤務している学校の学生たちの年齢では一般的に、どういった病気や悩み、問題が多いのか? 実際、その場面にならないと分らないことが多いですが、知識があることでなにかしらの役に立ち、学生たちに寄り添った提案が出来るでしょう。
■産業保健師学校保健師に求められる知識
主に企業の医務室や相談窓口での勤務となります。ストレス社会の現代においては、とくだん肉体的に厳しい業務でない場合でも精神面で辛くなり、不調が体調面に出てくる場合や、鬱のような症状がある場合などがあるため、ある程度の知識を持ち、どういった症状か見極め、企業内で何かしら対策が出来ないか勤務体制などを、産業医や企業側と共に考えることが求められます。
また、その企業の業務内容について知識があると役立つといえるでしょう。もちろん専門医では無いため、病院へ受診の勧めも必要となってきます。
■病院保健師に求められる知識
病院内での勤務となりますので、デスクワークが中心となることが多く、勤務する病院の分野により異なりますが、患者さんのご自宅へ訪問ケアを行うこともあります。
また集団検診で来た方にアドバイスなどを出来るように栄養に関してや、病気についての基礎知識・対策方法を伝えることも求められます。
■医療の知識が求められることもある。
学校保健師、産業保健師は、医療の知識も必要となります。保健師資格を取得する場合は、必ず看護師資格を併せて取得しますが保健師だから看護師の知識が必要なくなるわけではありません。
ケガをしている場合など、応急処置が必要となるのでその時に備えて日頃の学びが必要となっていくでしょう。
■まとめ
保健師とは知識だけではやっていく事はできない職業です。いくら知識が素晴らしくても、【聴く力】【伝える力】が無い限り、人々の信頼を得て手助けする機会がなくなってしまいます。その二つの力を基とし【人との接し方】【関わり方】を考え【自分の中の知識として蓄え活かすこと】が保健師にとって一番必要なスキルかもしれません。