作業療法士の気になる評価実習の情報を紹介します!

作業療法士になるには4年制大学または3・4年制の養成校(専門家学校)を卒業して国家試験に合格しなければなりません。
養成校の増加により定員に満たない養成校もあるため、専門学校であれば入学することのハードルは低いと言えますが、入学してから単位を取得して卒業することが難関となります。
単位を取得するためには規定の出席日数に達することはもちろんのこと、中間・期末試験で一定の点数をとることが必要です。
そして、「実習」をクリアすることも単位取得のための要件となります。筆記試験は学力があればクリアできますが、実習は学力に加えて応用力や社会性を試される事になります。

○作業療法士の実習概要
養成校によって若干のカリキュラムの違いはありますが、標準的な4年制養成校の実習カリキュラムを紹介します。

●1年次後期 見学実習(3日程度)
作業療法士が活躍する分野の見学を行います。基本的には見学が中心ですが、患者様や利用者、職員と円滑にコミュニケーションがとれることが必要です。
見学する施設は主に3種類あり、老人保健施設やデイサービスなどの介護施設、福祉ホームや通所などの障がい者福祉施設、障がい児入所施設や放課後デイサービスなどの発達障がい児施設があります。
1施設1日程度の実習となるため、養成校の近隣地域にある施設での実習になります。また、3~4人のグループで実習に臨むことが多いようです。

●2年次後期 臨床評実習Ⅰ(3週間)
授業や実習で得た知識や技術を活かして、現場の作業療法士(実習指導者)の指導のもと、担当の利用者や患者様の問題点の抽出、必要な検査・測定(評価)、リハビリ計画の立案といった訓練を行うまでの流れができることを目標とします。
また、作業療法士の仕事を見学しながら、実際に利用者様や患者様のリハビリ訓練をさせて頂けることもあります。
実習施設は、基本的に自宅から通うことができる地域の実習になります。ただし、学校に通学せずに直接実習先へ赴くため将来、作業療法士として勤務するイメージをもつことが出来ると思います。

●3年次後期 臨床評価実習Ⅱ(3週間)
目標は臨床評実習Ⅰと同様ですが、さらに高いレベルを要求されます。
評価実習Ⅰは身体分野、評価実習Ⅱは精神分野といった具合に異なる分野の施設になるようです。
実習施設は近隣地域だけでなく、自宅から通うことのできない遠方の地域へ赴くこともあります。その際はレオパレスなどのマンスリーアパートを借りるか、ホテル泊になる場合もあります。

●4年次 総合臨床実習Ⅰ・Ⅱ(2カ月×2回)
それまでに学んだ知識や技術、生活態度をもとに評価からリハビリ訓練の実施まで、作業療法士として総合的な技能を学習する実習となります。2カ月という長丁場であるため精神力や体力も必要不可欠です。
この実習を乗り切ることが出来れば、ある程度の知識があるということなので、作業療法士になれるまであと一歩というところでしょう。
その反面、総合臨床実習は不合格もあり得るため、覚悟を持って実習に臨まなければなりません。