ロボットには代われない作業療法士の仕事内容とは?

医療業界やリハビリ業界、介護業界では最新機器やロボットの進出が目覚ましくなっています。しかし、2013年に行われた「ロボットに代わられる仕事」に関する調査によると、20年後も人の手でしか行えない職種の6位に作業療法士が挙げられています。
身体の機能の回復だけでなく感情を理解し、寄り添う事が必要な作業療法士はロボットには代われない仕事です。今回はそんな作業療法士の仕事内容に注目してみましょう!

・作業療法士の仕事は?
作業療法士は、日常の生活を送ることが、身体障がいや発達障がい、精神障がい、老年期障がいによって不自由である人や困難に感じている人に対し、医師の指示のもとで作業療法によって訓練し回復を働きかけます。
作業療法の中には、身体的活動・精神的活動・社会的活動・創作活動が含まれ、自立した生活や社会復帰を目指し、身体面だけでなく精神面の回復をサポートします。具体的には大きく分けて下記の4つの向上に分類されます。

・身体機能の向上
日常生活に必要な運動機能を高めるために、関節の動きを滑らかにする事や、筋力を増大する事、感覚機能を改善させる様に訓練します。
使わなければ衰えてしまう様な筋力の向上や維持に努める治療や指導が行われ、生活に欠かせない脱着衣や靴の脱ぎ履きといった生活訓練を行います。

・生活技能の向上
身体機能の向上を高めると同時に食事や着替え、入浴といった身辺動作や家事動作によって日常生活で必要な動作の訓練を行うことも作業療法士の仕事です。
指先などの訓練を行うために、手芸や園芸、工芸、楽器演奏などによる作業を通して機能向上を行っていきます。

・高次脳機能の向上
日常生活に必要な動作だけでなく「能力」を高めるために、時間や物の把握、周囲の状況確認、動作の手順など生活や成長過程で必要な知識や社会性、身体能力などを、レクリエーションなどを通して教えます。その中には感情表現の発達を即したりする事も含まれています。

・社会技能の向上
ロールプレイなどを通して、仕事や社会活動に必要な問題解決能力や学習能力、対人関係能力を向上させ自立した生活や職場復帰を目指します。

・まとめ
作業療法士の仕事は、身体機能や生活技能、高次脳機能、社会機能といったそれぞれの機能に応じて様々な作業療法を通して訓練し回復、向上させる役割を担っています。
身体的な機能の向上だけでなく現実の社会に対応できる様に能力面や精神面での自立を向上するための訓練を行う作業療法士の仕事はロボットには代われない感情に寄り添える人間ならではの仕事といえます。