保健師としての初めての就職活動であっても転職であっても、大抵の場合、筆記試験と面接試験を受けることになります。どんな職種の面接でも聞かれることと言えば、志望理由です。保健師になるための面接で、採用につなげるための志望理由の回答のために、どのように備えることができるでしょうか?
・面接で聞かれる「志望理由」に備える!
面接がある就職試験では、どんなに筆記試験が優秀でも、面接で自分の事を上手くアピールできなければ、残念ながら不採用という結果になりかねません。人と接する仕事である保健師だからこそ、面接でのコミュニケーション能力は採用の有無に大きく影響してくるでしょう。ですから、自己アピールのひとつでもある志望理由を自分の言葉で、かつ面接官が納得する理由を伝えられるかは重要なポイントと言えます。志望理由を伝える時に忘れてはいけないことは、保健師として働きたい理由だけで終わってはいけないという点です。それだけを伝えてしまうと、面接官にとっては、保健師として働けさえすれば、どこの施設や企業でもいいのではないかというイメージを与えてしまいかねません。保健師としてどんな職場で、どのように働きたいのか、だからこの施設、もしくはこの企業を選んだのかが分かるようにアピールしなければならないでしょう。
・看護師ではなく保健師になりたい!
保健師になるためには、看護師の国家試験に合格したうえでさらに保健師養成課程を修了し、保健師国家試験を受験して合格しなければなりません。そのため保健師の資格をもっている人の中には、看護師としての活躍の場を広げるため、また看護師としてのスキルアップのために上位資格である保健師の資格を取得する人もいます。しかし、保健師の資格を持っていながら看護師として働く人と、保健師を目指し資格を取得して保健師として働きたい人とでは志望理由は異なるはずです。看護師として働いてきた経験を通して病気を治すことではなく、予防をすることの重要性を理解したために、保健師に転職することを決めた人もいるかもしれません。産業看護師としての募集の中には、看護師としての臨床経験を数年積んだ人という条件がついているのがほとんどです。必要とされる経験年数は違うとはいえ、看護師経験が長い方が保健師の即戦力としても採用率が高くなる傾向があるようです。しかし、実際には保健師と看護師は仕事内容が異なります。施設によっては、看護師の実務経験が長いことで、看護師と保健師を兼任して働いて欲しいといわれる場合もあるかもしれません。勿論、業務内容的に兼任できる部分もありますし、自分でそれでも構わないと思うのであれば問題ありませんが、保健師として働きたいと思っているのに、志望理由が曖昧で、採用されたいがために安易に兼任することを承諾してしまうと、看護師業務が中心になってしまう場合もあるかもしれません。保健師としてどのように働きたいかをしっかり考えておきましょう。
・まとめ
面接で志望理由を話す際は、保健師として働きたい理由だけでなく、どうしてこの職場で働きたいか、どのように働きたいかといった、面接官が採用したいと思うような理由を話せるようにしておきましょう。保健師の就職先の中には、看護師の実務経験が必須のところも多いですが、看護師ではなく、保健師を選んだ理由を明確なものとしておくことは面接の時の志望理由として役に立つでしょう。看護師ではなく、保健師として働きたいという志望理由がベースにあるうえでさらに、面接先の施設や企業を志望する理由を掘り下げて考え、準備しておくと、面接官に訴える良い回答につながるはずです。