床ずれを起こしやすい部位と注意点

床ずれは、その人の体調や栄養状態、寝た姿勢を何時間保持していたか、また寝具の固さや角度などによって、起こるリスク度合が異なります。
ただし、共通して注意しておかなければならない点と、床ずれの起こりやすい部位には一定の共通点がありますので、しっておくだけでも予防に大きな効果を出せるでしょう。


〇骨と皮膚表面が近い部位には注意が必要
床ずれが起こる原因をしり、起こる条件を排除していけば、褥瘡予防につながります。まずはそのメカニズムについてお話ししましょう。

 
●床ずれはどうして起こるのか
人間の体は皮膚でおおわれています。皮膚は外的刺激や感染源から体を守るために、バリアとしての役割を担っています。
この皮膚層の下には、皮下脂肪や筋肉などのやわらかい組織と、腱やじん帯、骨格などの固い組織があります。これらの組織は、体重移動があるごとに変形しながら体の重みを支えます。
外から加わる力には、圧迫とずれがありますが、やわらかい組織がずれや圧迫に適応して動かされることで、局所の血流を悪くし、皮膚下で障害を起こすことを床ずれといいます。

 
●骨と皮膚が近い部位ほどケアが必要
人の体で骨の様子が一見することができる部分(骨突出部分)には、脂肪や筋肉が少ないというのは想像ができるでしょう。
骨の突出した部位では、圧迫やずれが直接的に骨に伝わります。皮下組織の下にクッションとなるような脂肪が無ければ、その部分の皮膚は炎症を起こしやすくなります。
臀部はやわらかい面があり、圧迫を面で支えられるようにも見えますが、仙骨の突出した箇所に圧が集中しやすく、床ずれを起こしやすいのです。
また、圧迫や擦れの外傷的痛みも強くなります。肩や後頭部、腰、くるぶしなど、筋肉や脂肪がつきにくい部位はとくに注意して観察するようにしましょう。

 
〇各部位の皮膚異変に敏感なケアを
床ずれが起こっているかどうか、この判断をまず行うためには、観察時の皮膚異変と程度を察知することが大切です。
ぱっと見ただけでは気づきにくい症状もあります。
体位変換や処置の時には、局所だけでなく、全体の後発部位を都度観察するようにしましょう。

 
●床ずれのチェックポイントと部位
寝た姿勢(仰臥位)が長い場合には、上半身から腰に掛けての床ずれに注意が行きがちです。しかし、かかとや臀部は、人の体の線の中で下半身の体重を支えるように、点で力が集中する箇所ですので様子を定期的に経過観察しましょう。
側臥位では、仰臥位プラス膝や肘、手首などの骨突出部分が好発部位に加わります。
皮膚が赤く発疹している、水ぶくれができているという兆候は見逃せません。圧迫やずれを優しく取り除き、体圧がかからないポジショニングをとるようにしましょう。