介護職の資格の中で唯一、国家資格となるのが「介護福祉士」です。この資格はどなたでも受験できる訳ではなく、「実務者研修」を修了することが受験資格となります。
今回は、実務者研修では何を学ぶのかについて解説し、カリキュラムなどについても紹介します。
実務者研修とは?
実務者研修とは介護提供能力の基礎を学ぶための研修となります。元々は、介護職員基礎研修やホームヘルパー養成研修の1~3級だったものを、一本化して出来た研修となります。
また介護職の国家資格である、介護福祉士を受験するためには実務者研修を修了していなければなりません。
実務者研修では主に介護に関する基礎知識を学びます。基礎知識以外にも「喀痰吸引」や「経管栄養」などの医療行為についても学習します。
これらの医療行為は「医療的ケア」というカリキュラムに含まれており、修了する事で一定の条件下で行うことが許可されます。
このように実務者研修は介護の基礎をメインとしており、介護の分野に置いて幅広い役割を担います。また、実務者研修を修了する事はキャリアアップにも繋がり、訪問介護事業所では「サービス提供責任者」として働くことも可能となります。
そんな実務者研修の細かいカリキュラムについて解説します。
実務者研修のカリキュラムの内容
介護福祉士とは違って実務者研修はどなたでも受講することができます。しかし、前提として介護の基本的な知識・スキルが要求されるので、いきなり受講するより前段階である「初任者研修」を受講することをお勧めします。
実務者研修を修了するためには通常20科目を受講し、時間はトータルで450時間に及びます。
カリキュラムは大きく4つの分野に分かれており、「こころとからだのしくみ」「人間と社会」「介護」「医療的ケア」となります。これら4つの分野を細かく分けたものが「教育内容」として、科目ごとに受講時間が定められています。下記に科目名と受講時間を紹介しています。
◯教育内容
●人間の尊厳と自立 5時間
●社会の理解1 5時間
●社会の理解2 30時間
●介護の基本1 10時間
●介護の基本2 20時間
●コミュニケーション技術 20時間
●生活支援術1 20時間
●生活支援術2 30時間
●介護過程1 20時間
●介護過程2 25時間
●介護過程3 45時間
●発達と老化の理解1 10時間
●発達と老化の理解2 20時間
●認知症の理解1 10時間
●認知症の理解2 20時間
●障害の理解1 10時間
●障害の理解2 20時間
●こころとからだのしくみ1 20時間
●こころとからだのしくみ2 60時間
●医療的ケア 50時間
まとめ
介護福祉士を受験するためには実務者研修を修了する必要があり、実務者研修にはトータル450時間の講座を受講する必要があります。
内容も細かくて時間もかかりますが、介護職員としての知識や評価が上がります。キャリアアップとして実務者研修を受講することをおすすめします。
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