生活援助従事者研修の資格~その内容と介護サービスの向上について~

介護職員のキャリアパス制度は、介護の現場で人手不足解消する目的がありましたが、それでも資格が持つ権限によって、サービスにも限界を感じた為に、新たな制度を介護職の一員や補助する役割として「生活援助従事者研修」が出来ました。生活援助従事者研修の資格について詳しく紹介しましょう。

生活援助従事者研修とは、どんな資格なのか

わかりやすく言えば介護職員初任者研修の資格の一部であり、生活援助を専門に行う人材を確保する事を目的とした資格になっています。介護の現場では、これまでのヘルパー制度に代わって、介護職員初任者研修の資格から始まり介護福祉士実務者研修の資格を取得する事で、「介護福祉士」やキャリアパスの頂点となる「認定介護福祉士」を目指す事です。

しかし、介護現場の人材不足には、資格の有無が取沙汰されている為に、比較的に取得しやすい「生活援助従事者研修の取得」が2018年に新設されたのです。

生活援助従事者研修の取得の為の内容

資格を取る為のカリキュラムについては、介護職員初任者研修と重複する内容であり、59時間の授業を受けた場合に、介護職員初任者研修の資格を取得する際には、130時間から59時間を免除する事になっています。

このように、生活援助従事者研修は介護福祉に従事する際の最小限の資格になっています。これにより、介護の人手不足を解消する為の狙いがあるのです。

職務の理解を学ぶ

介護保険サービスの種類と内容を把握する事で、具体的な業務やその業務で出来る範囲を理解する事から始まります。

介護における尊厳の保持や自立支援の学び

利用者の尊厳と自立を支える仕事を専門として、介護・福祉サービスを行うにあたって基本的な視点による学習を行います。

介護の基本について学ぶ

チームケアを行う為に必要な事は、現場によって異なるなど、介護環境の特徴を理解する必要があります。実際の介護に対して、倫理的な観点や想定されるリスクについて理解を深めて、それを業務に活かす事を学びます。

介護におけるコミュニケーション技術を学ぶ

利用者だけでなく、家族や関係する医療や自治体などの職員とのコミュニケーション技術を学びます。

介護・福祉サービスの理解と医療との連携の学び

介護保険制度や障がい者福祉制度を理解した上で、それに関連する法令等についても学びます。

老化と認知症の理解の学び

加齢や老化は必ず起こるもので、心身の変化と疾病のケアや認知症の基礎を学ぶ事です。

障がいの理解を学ぶ

高齢者だけでなく、障がいを持った方についての概念や国際生活機能分類による、障がい者福祉の基本について学びます。

心と体の仕組みと生活支援技術

人体の構造や機能に関する知識を学ぶ事で、生活援助に安全に役立てる事を学びます。

振り返りの学び

これまでの学習についての復習する事です。

※以上のカリキュラムを59時間、学習した後で30分ほどの「修了試験」を受けると資格の取得を受ける事が出来ます。都道府県から指定を受けたスクール等での受講を受ける事になります。

資格を取得した実務の内容

生活援助従事者は訪問介護員やホームヘルパーとして、生活援助業務を補助する仕事です。具体的には、利用者の為に出来なくなった事柄に対する生活援助が主な仕事になります。

掃除や調理・買い物などの、利用者が出来にくい事や必要とする事柄を、利用者に合わせたサービスに努める事が大事なのです。自分の思い込みではなく、相手に対する思いやりが最も大事なのです。

訪問介護の働き方

1.常勤ヘルパーは1日を8時間勤務として、週5日の勤務で1日に数件の訪問のヘルパーを担当します。
2.登録ヘルパーの場合は自分の働くシフトを決めて、介護事業者の調整した日程によって、訪問のヘルパーを担当します。登録制のパートやバイトのような働き方です。

まとめ

実施されてまもない資格制度の為、認知度がまだまだと言えますが、生活援助従事者研修を取得する人が増える事で、介護の現場に従事する人達にとって、人手不足の解消や介護サービスの向上に役立つ事を願っています。

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