生活援助従事者研修とは

訪問介護事業所で働く方やそこでの就職を志願する方にとって、どの資格を取得しておけばよいのか悩むところです。
仕事の内容によっては、必要な資格が異なります。今回は、生活援助従事者研修とはどういう研修なのか、お話ししましょう。

生活援助従事者研修 設立した意味

生活援助従事者研修については、2018年4月に新たに誕生した資格であり歴史そのものはまだまだ浅く、その背景は不足する労働力をいかに確保し、少子高齢化の現在における人材を育てることとされています。
訪問介護事業所に関しては、身体の介護と生活の援助の双方を行うことができる目的で介護職員初任者研修が必須となるわけです。

しかし、介護職員初任者研修を取得するとしても時間がかかり、必要な人数を確保したくてもそれがままならないというリスクが生じます。
結果的にはスタッフをどうやって集めるのか、そしてどう育成するのかの諸問題にぶつかることで人材確保が難しくなるのです。

生活援助従事者研修 対象者など

生活援助従事者研修の受講対象については誰でも可能で、事業者に入りたての方でも在職中の方でも受けることが可能です。
学習に必要な時間は59時間(うち通信学習は29時間)と、介護職員初任者研修を受けるのに必要な時間が130時間ですので、その半分の時間で資格を取得できます。
学習内容などをもう少し詳しく説明します。

①職務理解→まず最初に、介護保健サービスというものはどういう種類や概要が存在し、それを把握していくかということや、具体的な仕事についてどういうものがあり、どこまでが仕事の範囲であるかを理解するというのが第一段階です。 (学習時間→2時間)

②尊厳保持及び自立支援→ここでは実際に利用される方の尊厳・自立を支援する仕事と、介護・福祉サービスの提供にあたり基本的視点とはどういうものなのかを学習します。 (学習時間→6時間)

③基本→実際に働く介護現場の環境とは、どういうものなのかといった介護環境における特徴を最初に理解し、職場に入りほかのスタッフたちと業務をこなすチームケアについて必要な項目のほか、これらに必要な倫理及びリスクのそれぞれを理解する。(学習時間→4時間)

④介護・福祉サービス理解及び医療との連携→この業界において欠かすことができないのが介護保険制度及び障碍者福祉制度です。ここではその双方について目的と仕組みを学び、これらに対する関連法令などについて理解することが狙いです。 (学習時間→3時間)

⑤コミュニケーション技術→ここでは実際に利用される方やそのご家族の方々のほか、関係者との間におけるコミュニケーションに対する技術の学習をすることが目的です。 (学習時間→6時間)

⑥老化及び認知症への理解→お年寄りの方にとって、加齢や老化などにより心身変化は避けて通れませんが、場合によっては疾病のほか、認知症にかかる方も。ここでは、実際に利用される方が認知症になった場合を想定し、この状況をどう乗り越えていくかを理解するため、基礎的なことを学習しながら支援に対する基本的視点を学習することが目的です。 (学習時間→9時間)

⑦障がいへの理解→人間は生まれてきた後に障がいを抱えるかたもいます。ここではその概念のほか、国際生活機能分類などといった障がい者福祉に対する基礎的なことを学習していきます。 (学習時間→3時間)

⑧こころとからだのしくみ、生活支援の技術→介護技術の根拠は人体の構造と機能であるといいます。この項目では知識を学習したのち、利用される方にとって安全な生活援助を利用することを提供できるための環境づくりを学びます。 (学習時間→24時間)

⑨振り返り→①~⑧まで学習してきたことに対し、自分がどのくらい理解しているかについて再点検し、理解していなければその分を学習し直す機会です。ここをクリアすれば修了試験へと入ります。 (学習時間→2時間30分※修了試験含む)

生活援助従事者研修を受講できる場所についてですが、自治体から指定されたスクールなどで行う決まりとなっています。

生活援助従事者研修 取得後は・・・

ここからは、生活援助従事者研修を取得した後の職務内容を中心に紹介しましょう。生活援助の業務を行います。業務内容については、洗濯や掃除、ベッドメイク(利用される方がいない場合のみ行い、いる場合は対象外)や食事の準備から調理、その後の片づけや買い物を代行したり、薬局で本人に代わり薬を受け取るなどといったことです。

しかし、食事や入浴、排せつなどの各種介助は直接体に触れる行為とみなされるため、ここはやはり介護職員初任者研修などといった資格を所持していなければなりません。
実際の勤務時間は訪問看護となりますので、1件につき約20分から2時間程度で業務をこなすということで、実際は2~3件程度+移動時間が目安となります。

資格取得後は・・・

この資格を取得した後、仕事をしていくうちに介護職員初任者研修を受けてスキルアップを図りたいという方も、いるでしょう。
実際は130時間学習しなければならないのですが、この資格を取得している場合に関しては59時間免除されますので実質的には71時間分学ぶだけでよいとされています。

まとめ

生活援助従事者研修はまだ新しい資格のため、実施している自治体などが少ないのが現状です。実際に受けるとした場合、各自治体などのリサーチや確認が必要です。

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