理学療法士の物理療法について

病気や事故などで身体に障がいや不自由を抱えたとき、また高齢になり身体機能が低下したとき、リハビリテーションでお世話になるのが「理学療法士」の資格を持つ専門職です。
「理学療法士」は運動療法と物理療法で身体能力の向上を図っていきます。その中の物理療法について説明していきたいと思います。

物理療法とは?

「理学療法」ともいい、物理的なエネルギーを利用する医療で、その方法には「光線療法、温熱療法、水治療法、電気療法、超短波療法、気候療法」などがあります。
それぞれどういった治療法なのか?何に効くのか?を説明していきたいと思います。

光線療法

太陽光線や人工的な光線(赤外線、紫外線)を身体の外から照射して、行う治療法です。皮膚病や佝僂病(くるびょう)などに有効です。
「赤外線療法」は凍瘡や凍傷に効果があり、「紫外線療法」は乾癬、尋常性白斑などに効果があります。

温熱療法

患部を温め新陳代謝を促し老廃物を除去し、血流やリンパの流れを良くする治療法です。血流が増えることで、細胞が弛緩し痛みが和らぐ効果があります。
また、がん細胞が熱に弱いことから、がんの治療法としても近年注目を集めています。

水治療法

冷水・温水・蒸気の刺激を利用する治療法です。温水を使う「温熱療法」、冷水を使う「寒冷療法」などがあります。
また、水の浮力を利用する水中訓練なども「水治療法」に含まれます。一般的な全身浴、半身浴、足浴などは神経痛、精神障がいなどの治療に有効です。

電気療法

電気を利用する治療法で、熱や振動などを利用します。低周波電流を用いるものは、末梢神経性麻痺、末梢循環障がいなどに効果があります。
温浴と併用される水電気浴は、電極の陽極は刺激状態の神経を鎮静化させ、陰極は麻痺部の興奮性を高めます。神経痛、筋肉痛、神経麻痺などに効果があります。

超短波療法

超短波を患部に照射して、発生する温熱によって治療する方法です。神経疾患、関節炎などに効果があります。

気候療法

気候の良い所に転地して病気の治療や病後の保養などをする療法です。高山気候は貧血、肺結核などに効果があり、海岸気候はアレルギー性疾患、リウマチ性疾患、佝僂病(くるびょう)などに効果があります。

まとめ

理学療法士は医師の指示のもとに、それぞれの患者さんの状態を観て、学んできた技術や知識を総動員して、運動療法や物理療法といったメニューを組み、一人一人に合ったリハビリテーションを行います。
それは、決して業務だからではなく、常に想っているからです。患者さんがその人らしく生きるためにと。