理学療法士の実施するリハビリ業務範囲とは?

理学療法士が実践するリハビリには、2本の大きな柱があります。ここではこの2大療法を軸としたリハビリの現場で求められる業務内容と、介護・治療の現場で求められている業務についてまとめてみました。

■リハビリの現場で行われる2大療法

1.運動療法
運動療法という言葉から連想できるように、体を動かすことで治療を行う療法となります。例えば、運動を行うことによって、関節の動きやリンパの流れをなめらかにしたり、 筋力回復を目指します。
また、骨折や麻痺、ヘルニアなどにより歩行動作が困難な患者さんに対し歩行訓練などを行います。基本的に患者さん自らの体を積極的に運動させることに重きを置いたものといえるでしょう。

2.物理療法
運動療法で身体機能改善の効果が薄い場合、物理療法が有効とされます。物理療法とは、薬物を用いず、電気や温熱など、体に直接作用する専用治療器具を補助的な手段として用いる療法となります。
また、分業されている施設や病院であれば、基本的な回復動作の向上を目的とした、マッサージやストレッチなどの物理的手段も理学療法士としてのスキルを活かした治療となります。

■治療目的という観点からみた、理学療法士の業務内容

実際のリハビリ現場では治療目的を設定し、その内容に合わせて、「治療後回復促進」、「身体機能維持」、「保存療法」という3つの柱を軸に、業務内容を絞り込んでいきます。

・第1の柱「治療後の回復を促す」
医師が行う治療は、医学的な手段です。理学療法士は、その治療に対して運動や物理療法などを行い、早期回復を促す役割があります。そのため、手術治療に関する知識も必要となります。

・第2の柱「身体の状態維持」
身体回復促進が、療法士に求められる回復と改善、身体機能を維持する業務となります。専門的な運動計画を作成し実践することで、健康な身体状態および能力維持を促していく大切な役割となります。

・第3の柱「保存治療」
保存治療とは手術をしないで治療することです。保存療法は筋力トレーニング、関節運動などを行うため、運動面、身体面などの知識が生かされます。

■業務範囲を超えて求められる理学療法の力

理学療法士には、リハビリ専門の言語聴覚士、作業療法士、メディカルワーカー、介護スタッフ等、多くの関連する職種と一丸となって治療にあたることも業務として求められます。
このため患者さんの情報を共有し、連携してリハビリに関する基本計画を作成することも必要となってくることから、理学療法以外の業務内容も把握しておく必要があります。

■まとめ

理学療法士の行う治療業務は、お薬などでは対応できない身体機能の改善を目的とした治療であることと言えるでしょう。