体がどんな状態にあると健康に感じますか?また反対に、不調だと感じるのはどんな時でしょう。
体が重い、だるい、寝ても疲れが取れないなど、スムーズに体が動かせない時に、調子が悪いと感じるのではないでしょうか。
この様な体の不調は、血行促進すれば楽になるかもしれません。
○体の安定バロメーター 体温調節は血行促進で
特に女性や寝たきりの高齢者が、体調不良を感じるとき、同時に体の冷えを訴える人が多いです。そして、体に冷えを感じる人は血行が良くない事が多いのです。
●血の循環が悪ければ体温に影響が
入院患者や重篤な状態で集中治療をしている人は、その多くが低体温にならない様に経過観察されます。体を動かせないのと同時に、安静にしている時間が長いことで、自律神経が乱れ、副交感神経が優位に働きやすくなります。すると、からだを休めながら、夢かうつつかがわからないような状態が長くなってしまいます。
人間は、安静状態に入る前(交感神経から副交感神経に切り替わる)には、体を温めて体を弛緩させようとします。寝る直前まで体温が上がり、体を温めてゆっくり休ませようとするのは、自律神経が行う通常の働きです。
血流は体温維持に役立っています。血液は温かく、全身を正常にめぐっていると血の暖かさで体温が維持される部分も大きいのです。
血行が促進されれば、寝る前に体温を上げて体を安静状態にシフトすることができます。体温が低い人は、自律神経の乱れが関係しているかもしれません。オンとオフ、交感神経と副交感神経がきちんと切り替わるようなポイントを、日常生活で意識して取り入れると良いでしょう。
●血行促進で体内老廃物を溜めないからだに
血流にのって、栄養は全身に届けられます。また、血液には、栄養を届けながら臓器や細胞の各所ででた老廃物を回収する役割があります。
血行が悪い人は、老廃物を溜めてしまいがちです。疲労物質や体内に余分な脂質など、血液に溜まった状態が長くなれば、どんどん血行も悪くなってしまいます。
どろどろの血から、サラサラの血にするためには、十分な水分を取って、筋肉や関節を無理のない範囲で刺激するのが有効です。
○血行促進のためにマッサージを取り入れる その影響は
マッサージには、健常者が肩こりや目の痛みに伴って受けるものもありますが、高齢者や患者さんに対して行う愛護的なものとは異なります。
あまり強くマッサージすると、手先や足の毛細血管を押さえて断ち切ってしまい、血が通わない時間が長くなるかもしれません。
マッサージは皮膚をなでる程度、またリンパの凝りがひどい人は、リンパ腺に沿って老廃物を流すようなイメージでさすってあげる程度で十分です。
運動ができない、行動に制限がある人は、なかなか外に出る事すら難しいかもしれません。しかし、体に神経の刺激を与える事で、昼と夜の切り替えが上手く起こり、不眠に悩む人が減るかもしれません。
また、疲れを残さない体質になると、いろんな事に対してやる気が起こり、前向きに捉える事が出来る様になります。
自立した生活を、より多くの人が送れるように、安静に寝るだけの生活からまずは一歩抜け出すお手伝いを考えて行動する様にしましょう。
参考文献:はじめての褥瘡ケア 見る看るわかるポイント50 (2013年 ㈱照林社)