寝たきりが原因だった?体に起こる不調と合併症

介護が必要な高齢者や、身体機能が低下して座ったままの姿勢が長い人や、歩行や外出の機会が減った人など、安静にしている時間が長くなると、次第に寝たきりの状態が長くなりがちです。
加齢によって動作機能が低下した高齢者は、寝たきりになると再び自立した生活を送れるようになるまで、十分な気持ちと体のリハビリを要します。
寝たきりになることで起こる、不調や体調変化を知っておきましょう。
そして、可能であれば離床を促し、少しでも体を動かす時間を作るようにしましょう。


〇寝たきりの人に多い不調例
高齢になると、体の機能だけでなく内臓機能も低下してきます。
体全体の血流がゆっくりになり、安静に過ごすことで副交感神経が優位になる時間も長くなります。
すると、自律神経が乱れて、体に様々な不調が現れてきます。

 
●慢性化しやすい症状と合併症
寝たきりで過ごしていると、意識がはっきりせずに、ぼんやりと過ごす時間が長くなります。
横になった姿勢で安静が続くと、血液の流れも悪くなるうえに自律神経が乱れて脳貧血や起立性低気圧(寝た姿勢から起き上がった直後に血圧が下がり、めまいが起きる症状)を起こしやすくなります。
高齢者の場合は特に注意が必要です。
全身へ血液を送り出す心臓の機能も低下し、不整脈が現れることもあります。
血流阻害により、全身の水分が不足しやすく、また老廃物を適切に排出することも難しくなります。
高血圧や糖尿病に発展するケースも珍しくありません。

 
●寝たきりの生活習慣病の兆候と合併症
体を思うように動かせる人は、基礎代謝が落ち始める40代以降に高血圧や糖尿、血流阻害が現れても、生活習慣の改善や運動をすることで解消できます。
寝たきりの人は、慢性化しやすい生活習慣病が顕著に表れても、投薬や栄養摂取コントロールで解消しなくてはなりません。経過が良くなるまでには時間がかかり、薬の量も増えてくるでしょう。
それぞれの臓器や不調緩和のために処方する薬は、それぞれが機能的にはたらくために、必要な体の機能を抑えてしまうことがあります。
排尿や抗菌、代謝などに副作用が生じ、相互作用によって思わぬ合併症を起こすこともあります。
処方された薬は飲み忘れに注意し、清潔を心がけて感染しない環境つくりをしましょう。

 
〇慢性疾患と合併症の危険
高齢者に多いのが、寝たきりの慢性不調と疾患から起こる合併症です。
ずっと体を横たえているため、頭部の血流が不足気味になり頭痛・ぼんやり(意識障害)が起こりやすくなります。
頭が痛いのが当たり前…となっているところで脳梗塞を発症した場合を想定してみます。激しい頭痛に耐えられないうえに、いつも意識がはっきりしないような状態が続いていたことによって朦朧となり、そのまま気を失う。介護者がそれに気づかないまま時間が経過して命を落としてしまった…という想像も現実にあり得る話です。
ケアを必要とする寝たきりの人は、その身体機能が低下していくにつれて感染や臓器の疾患との合併症リスクも上がります。
現状を維持しながら必要な処置や観察をし、少しでも心配なことがあれば、自己判断をせずにかかりつけ医やケアワーカーに相談をしましょう。