介護の仕事や勉強に興味があり調べてみたら、資格の種類が色々あり迷ってしまった・・・。
未経験者はどの資格から取ればいいの?
実務者研修は未経験者でも受講できるの?
いざ介護の資格を取ろうと思っても、自分がどの資格にチャレンジできるのか、資格の内容や違いについてよくわからない方も多いでしょう。
こちらのページでは、介護の学びをスタートする方からよく聞かれる「初任者研修と実務者研修の違い」について、わかりやすく解説いたします。
後半では、初任者研修・実務者研修受講時に活用できる各種助成金・給付金などの情報も載っていますので、是非最後までご覧ください。
初任者研修とは?
介護職員初任者研修は、介護保険制度が始まる前から介護の資格として広く認知されてきた、ホームヘルパー二級資格が変更されて新たに作られた資格です。
ホームヘルパー2級の時は、介護事業所での4日間の実習があったものの、名称の通り訪問介護や在宅介護の内容が中心のカリキュラムで構成されていました。
しかし、時代の流れとともに施設型の介護サービスが増加してきた中で、在宅介護中心のカリキュラムだけではなく、施設型の介護も含め幅広い知識や技術を学べるように介護職員初任者研修は作られました。
最初は介護職員初任者研修から学ぶのがおすすめ
これから家族介護をはじめ介護の仕事をしようと思っている方や、初めて介護の資格を取得する方には、介護職員初任者研修から学ぶことをおすすめします。
介護職員初任者研修のカリキュラムは、介護に関わる制度的なことから実務的な知識、こころとからだのしくみ、基本的な介護技術(着替え・食事・移動・排泄の介助など)をしっかりと学ぶことができます。
家族介護をするにしても、仕事として介護に関わるにしても、必要なことが一通り学べることができます。
仕事で介護に関わる方は、将来的に実務者研修を取りたいという方もいますし、介護未経験・無資格から実務者研修を取ることも出来ますが、時間的に余裕があるのであれば、なるべく介護職員初任者研修を最初に取得して現場を経験し、頃合いを見ながら介護福祉士に向けて実務者研修を受講していくという流れが、とてもスムーズで学ぶ習熟度も高めていくことができます。
介護職員初任者研修の内容
研修実施団体:都道府県又は都道府県知事の指定した者
受講費用:5万円~8万円程度
※受講料は学校により異なります
時間数 :130時間
※通信制カリキュラムの場合は、30時間程度を通信添削課題に置き換えることができるため、授業の時間数は概ね100時間程度となります。
授業日数:概ね15日間から18日間程度
※通信制カリキュラムの場合で、授業日数は学校により異なります。
受講形態:職業訓練などで行われる場合には、全て通学制のコースですが、通常は通信添削課題(主に問題集型のレポート)を併用して、通学する日数が16日間程度のコースが主流です。
コロナ以降、通学部分の一部をオンラインに切り替えた学校もあり、そのような場合は通学日数が4日程度減ります。
☝ここがポイント
資格を取得することが目的ではなく、資格を取得する際にどれだけ多くのことを理解し、資格をどのように活かすかが大事ですから、受講日数を短縮するために1日の受講時間が長すぎたり極端に受講日数が少ないコースなどを受講する場合には気を付けたほうが良いでしょう。
資格を取っても身につかなければ時間もかかった費用も無駄になる可能性があります。
大体の目安は、受講日数が概ね16日間程度のコースを基準にするとよいでしょう。
☝ここで豆知識
ホームヘルパー2級資格の時には、カリキュラムの中にレクリエーションに関する科目がはいっていましたが、介護職員初任者研修ではレクリエーションに関する科目がなくなりました。
しかしながら、介護現場ではレクリエーションの知識や技術を求められることが多々あります。デイサービスや施設型のサービスを提供している介護事業所では、ほぼ毎日のようにレクリエーションの時間があります。
ただでさえ人前に出るのが苦手な人からすると、レクリエーションの知識・技術を学んでいなければ、とても苦労されると思います。
最近では、介護のレクリエーションに特化した資格講座も出てまいりましたので、余裕がある時に受けておくと良いのではないでしょうか。
その他、サポート体制やアフターフォローも事前にチェック
介護職員初任者研修を開講する学校によっては、就労支援をしてくれる学校や卒業後のアフターフォローなどが充実した学校など特色も様々です。事前に以下のサポートがあるかをチェックしてみてください。
☑通いやすい曜日や時間帯のカリキュラムか
☑休んでしまった場合の振替補講の受けやすさ
☑将来的に実務者研修を受講する際の免除科目の対応は問題ないか
☑評判は悪くないか
☑職場見学をはじめ就労支援のサポートはあるか
☑卒業後のフォローセミナーは充実しているか
実務者研修とは
実務者研修は介護福祉士国家試験の受験要件の一つです。
実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験するには、3年以上の実務経験と実務者研修を修了していないと受験を受けることすら出来ません。
そのため、実務者研修は介護福祉士になるための登竜門的な資格ともいえます。
実務者研修の内容
研修実施団体:都道府県又は都道府県知事の指定した者
受講費用:3万円~15万円程度
※受講料は所持資格や学校により異なります。
時間数 :450時間
※通信制カリキュラムの場合は、約405時間分を通信添削課題に置き換えることができるため、授業の時間数は45時間ほどになります。
受講日数:概ね7日間から10日間程度
※通信制カリキュラムの場合で、学校により異なります。
学習内容:
・介護過程の展開
実務者研修は、介護職員初任者研修や介護現場で習得してきた知識や技術を、一人ひとりの介護サービス利用者の状態に合わせて、最適なサービスを提供できるように「考える力を養う」ことに重点を置いています。
・医療的ケア
最近では、法改正により一部の医療的行為を一定の条件を満たした介護職員が行えるようになりました。その医療的行為の基本を学ぶための医療的ケア(喀痰吸引・経管栄養)も実務者研修で学ぶことができます。
☝ここがポイント
450時間中405時間を通信添削課題に置き換えられてしまうため、学校に通う時間数は45時間ほどに短縮されてしまいます。
それだけ時間が短縮されてしまっているわけですから、ゆとりのあるカリキュラムを設定している学校を選ばなくては、たとえ資格は取れても中身が伴わないということが多々あります。
通学日数は少なくても、1日の授業時間数が極端に長いコースは注意が必要です。
特に実務者研修の授業は、「考える力を養う」という点に重きを置いています。
今まで介護職員初任者研修や介護現場でインプットしてきたものを論理的に理解して、グループワークなどでそれぞれの意見を出し合い、最適なケアプランの作成をできるようにしていきます。
講師から一方的に情報をインプットする受け身型の授業スタイルではなく、積極的でアウトプットも必要とされる参加型の授業スタイルのため、思考力や頭の集中力が必要とされます。
日数が多少長くなっても、1日の授業時間数が集中の切れにくい5~6時間程度のカリキュラムの学校を選ぶことをお勧めします。
未経験・無資格から実務者研修を取得する際の注意事項
実務者研修は名称の通り、実務の経験をしてきた介護職員を対象にカリキュラムが作られているため、制度上は実務者研修を介護未経験・無資格の方でも取得できるとはいえ、実務を経験していないと学習自体はかなり難しく感じます。
そのため、学校を選ぶ際にはしっかりとしたサポートをしてくれる学校を見つける必要があります。
資格取得には時間もお金もかかるので、どうせ学ぶならしっかりと教育に力を入れた学校を選びましょう。
【知らないと損!】初任者研修・実務者研修の補助金・助成金など
各都道府県ごとに介護職員初任者研修・実務者研修を受講する際に使える補助金・助成金・貸付金の制度があります。
湘南国際アカデミーのウェブページでは、神奈川県・東京都の介護事業所様にお勤めの方(居住地は県外でも可能)や雇用保険に加入している方向けに、各種補助金・助成金・貸付金の情報について詳しく紹介しています。
▼参考ウェブページ(湘南国際アカデミー)▼
知らないと損!! 神奈川県の介護職員初任者研修・実務者研修に使える補助金・助成金・貸付金情報
・最初は介護職員初任者研修から学ぶのがおすすめ
・介護職員初任者研修の内容
・その他、サポート体制やアフターフォローも事前にチェック
・実務者研修の内容
・未経験・無資格から実務者研修を取得する際の注意事項