介護分野で働きながら、介護福祉士の国家資格を目指す上で不可欠となる実務者研修。その受講に際して、事前に介護の初任者研修修了を果たしていれば、いくつかの免除科目が見込めます。そのことについて、資格の基本事項を交えながら見ていきたいと思います。
介護福祉士実務者研修とは
介護分野における国家資格である介護福祉士。その資格を取得するには、国家試験に合格しなければなりません。加えて、その受験資格を得るにもキャリア形成が必要となります。
介護福祉士の受験資格を獲得するには、専門学校などの養成施設や福祉系高校などで学業を修めるルートと、介護現場で働きながら資格取得を目指すルートの2通りが主に挙げられます。
介護福祉士実務者研修は、介護職として実務経験を積みながら介護福祉士を目指す際に不可欠なものとなります。
介護職として業務をこなしつつ国家試験の受験資格を受けるには、3年間の実務経験と実務者研修の修了という2条件を満たすことが必要と言うわけです。
この研修を通して、20科目の講習を450時間受けることにより、介護系の学校などで学んできた学生たちと同等の水準に至ることになります。
この場合、他の介護系の資格を取得していれば、幾つかの講習科目を免除することが可能となります。免除対象となる資格には、介護職員初任者研修も該当します。
介護職員初任者研修とは
介護職の業務は、掃除・洗濯・調理など、利用者さんの生活を支える生活援助と、摂食・入浴・トイレなど利用者さんの身体に触れることとなる身体介護の2種類に大別されます。
原則的に、身体介護を行う際には資格の取得が必要です。
介護職員初任者研修は、あらゆる介護系の資格の中で初歩的な内容を扱うため、介護職の登竜門的な位置付けに当たる資格と言えます。
これを取得していることで、身体介護に着手できるというわけです。
この研修を通して、介護やその職務内容の基本を理解し、老化・認知症・障害・利用者さんとのコミュニケーション方法などについて学びます。合わせて、生活援助や身体介護の基礎的技能について習得することとなります。
研修カリキュラム全体を通して、130時間の講習時間を要します。
初任者研修を修了していることで免除される科目および受講時間
実務者研修を履修する前に、初任者研修を済ませていれば、9科目130時間分の受講が免除されます。初任者研修で学んだ内容と重複するため、そういった措置を取ることが可能になるわけです。
免除される科目とその受講時間の内訳は以下の通りです。
人間尊厳と自立:5時間
社会の理解Ⅰ:5時間
介護の基本Ⅰ:10時間
生活支援技術Ⅰ:20時間
生活支援技術Ⅱ:30時間
介護過程Ⅰ:20時間
認知症の理解Ⅰ:10時間
障害の理解Ⅰ:10時間
こころとからだのしくみⅠ:20時間
まとめ
以上のように、介護職の実務者研修と初任者研修の基本的概要を確認し、初任者研修修了によって免除される実務者研修の科目について見てまいりました。
知識やノウハウを定着させ、確かなスキルを身に付ける上で、実務者研修に取り組む前に初任者研修にチャレンジするのも有効な手段と言えます。
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