介護福祉士になるには、まずは介護職員初任者研修から

介護の業界で働く人の国家資格「介護福祉士実務者研修」を受けるより先に、「介護職員初任者研修」を受ける事をおすすめします。今回はその理由と、介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の違いを解説します。

国家資格である介護福祉士の受験資格

平成27年度までは、看護助手やホームヘルパーの実務経験が3年以上あれば、受験資格を満たしていると見なされていましたが、法制度の改正により、ホームヘルパーと言う資格その物が廃止されたこともあり、現在は介護福祉士の受験のハードルは高くなっていると言えます。

介護福祉士を取得するには、福祉系高校または介護福祉士養成施設を卒業するか、もしくは、介護の現場で実務経験が3年以上、尚且つ450時間以上の介護福祉士実務者研修の修了が義務付けられています。

介護福祉士実務者研修を受けるには

介護福祉士実務者研修、通称”実務者研修”は、介護職員初任者研修を修了していない人でも受けることが出来ます。
しかしながら、受講内容は実践的な内容であること、専門用語も多い事から、介護の業界で働き始めてから日の浅い人や未経験の人には難しい内容となっています。

介護の業界で長く働き続けたいという事であれば、まずは介護職員初任者研修を修了して、介護業界の事をよく知った上で介護福祉士実務者研修に臨む方が良いでしょう。

介護職員初任者研修を修了した者は、介護福祉士実務者研修を受けるのに必要な実務経験450時間のうち130時間の履修科目が、免除されます。また、実技スクーリング(面接授業)の時間も短くなります。

また、介護職員初任者研修は、無資格のまま介護業界で働いていた人が、これまで修得した介護にまつわる基礎的な事柄を復習するのにも最適な資格と言えます。

将来的に介護福祉士を目指すのであれば、介護職員初任者研修は必須の資格と言うことが出来るでしょう。

介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の相違点

介護職員初任者研修は、介護の仕事をする上で最低限必要な知識とスキルを習得する事、介護の現場で、介護福祉士などの指導の下、適切に業務を行えることを目的とした内容となっています。

一方、介護福祉士実務者研修では、介護福祉士養成校で教わる内容を基に、介護職員初任者研修と、介護の現場での実務だけでは修得できない内容を補う内容となっています。

介護福祉士実務者研修では、喀痰吸引(かくたんきゅういん)や経管栄養についても学ぶことが出来、修了した後は現場で共に働くその他の職種の職員と連携しながら、より一層幅広く介護の仕事に取り組むことが出来ます。

介護福祉士実務者研修を修了した者は、訪問介護事業所で「サービス提供責任者」になる事が出来ます。サービス提供責任者は介護の現場の中心的な役割を果たす役職で、職員間の連絡調整や、助言などを行います。

まとめ

今回は、介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の違いと、なぜ介護職員初任者研修を先に受けるべきかをテーマにお伝えしました。

介護の業界でより一層活躍できるよう、ステップアップを検討してみてはいかがでしょうか。