デイサービスや介護施設などにおいては、医療や健康に関するケアがおこなわれていますが、医療行為は医師や看護師の専門職しかおこなうことができません。
しかし、法改正により介護職でも一定の講習や実習を受けることで、一部の医療的なケアができるようになりました。
今回は、それらの医療的ケアを指導する教員になるための講習会の内容や期間について調べてみました。
医療的ケア教員講習とは?
2015年の社会福祉士法 / 介護福祉士法の改正により、介護実務者研修以上の人で一定の講習や実習を受けることで、痰の吸引や経管栄養がおこなえるようになりました。
各事業所では、医療的ケア教員講習を受けた看護師等が介護職員に対して、痰吸引や経管栄養の実施方法を指導できる資格となります。
医療的ケア教員について
受講対象者、受講資格者は次の通りです。
【対象者】
・看護師資格を持っている人
・保健師資格を持っている人
・助産師資格を持っている人
・医師免許を持っている人
なお、医療的ケア教員になるためには、いずれも5年以上の実務経験が必要です。実務経験が5年以内でも講習への参加は可能です。
近い将来資格を取りたいとお考えでしたら、講習に参加してみるのも良いかと思います。
【医療的ケア教員講習受講 期間と受講料】
・開催日程は各養成校により異なりますので確認しましょう。
・費用はテキスト代と証明書代等で1万円前後になります。
講習のカリキュラム
下記で詳しく流れをみていきましましょう。
①オリエンテーション
②制度の概要 医療的ケアの介護職への指導、実施に関する制度について学びます。
③医療的ケアの基礎 医療的ケアをおこなう上での感染予防や安全管理についての基礎知識を学びます。
④喀痰吸引 喀痰吸引の実施方法や実施の手順、指導方法、評価方法、基礎知識を学びます。
⑤経管栄養 経管栄養についての基礎知識、実施手順、指導方法、評価方法を学びます。
⑥喀痰吸引 / 経管栄養 喀痰吸引と経管栄養の演習をしながら指導、評価方法を学びます。
⑦修了証授与
なお、医療的ケア教員講習会は、多くの場合朝9時から18時まで1日で修了します。
講習会を修了することで、介護職員実務者研修以上の介護職に喀痰吸引や経管栄養の教員がおこなえる他、養成校にて実務者研修受講の医療的ケアの講師もおこなうことができます。
まとめ
介護の現場では重度化した高齢者が増えて、喀痰吸引や経管栄養の必要性が高まっています。介護職員にそれらを指導する「医療的ケア教員講習会」を受けた、高い専門性を持った看護師などのニーズが求められています。
資格を取得し、養成校で医療的ケアの指導教員ができ、転職にも有利になるメリットがあります。
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