実務者研修は介護福祉士への近道

2012年度にこれまでの「ヘルパー1級」が廃止になり、「実務者研修」に変わりました。実務者研修はどのような研修なのでしょうか?
今回は「実務者研修」の内容や取得のメリットについて見てみましょう。

ヘルパー制度からの変更について

これまで「介護基礎研修」「ヘルパー2級」など、様々な研修や資格があり国家資格である介護福祉士を取得するため、複雑な制度をより分かりやすくするために「ヘルパー2級」から「介護職員初任者研修」へと変更し、「ヘルパー1級」から「実務者研修」へと変更することで、介護福祉士の受験資格を分かりやすくする目的で制度が変わりました。

介護福祉士の受験要件

2017年には介護福祉士の受験要件に、実務者研修を修了することが義務付けられました。
また、実務者研修修了と共に3年以上の実務経験が、介護福祉士の受験要件にとって必須となりました。

介護現場において、より質の高い介護を目指して一定期間の実務者研修を受けることにより、現場でのよりよい介護技術やスキルを持って、現場で力を発揮して欲しいとの思いがあります。
また、スキルアップや高度な医療ケアの知識や経験を活かせるように実務者研修制度が実施されました。

実務者研修のカリキュラム

実務者研修は、初任者研修と同様「無資格・未経験」からでも即、実務者研修の受講が可能です。受講時間が450時間で、カリキュラムの内容も20科目と幅広く学びます。

研修では、介護の基礎知識を含めたカリキュラムから学びますので、初任者研修を受講していることで理解しやすいと思いますのでお勧めです。実務者研修のカリキュラムを、以下に紹介しましょう。

・人間の尊厳と自立
・社会の理解Ⅰ
・社会の理解Ⅱ
・介護の基本Ⅰ
・介護の基本Ⅱ
・コミュニケーション技術
・生活支援技術Ⅰ
・生活支援技術Ⅱ
・発達と老化の理解Ⅰ
・発達と老化の理解Ⅱ
・認知症の理解Ⅰ
・認知症の理解Ⅱ
・障害の理解
・こころとからだのしくみⅠ
・こころとからだのしくみⅡ
・介護過程Ⅰ
・介護過程Ⅱ
・介護過程Ⅲ
・医療的ケア

尚、実務者研修の受講時間は、先に初任者研修を受講していることで基礎から学び受講時間も短縮できるメリットがあります。
初任者研修を受講している場合、320時間の講習で済みます。450時間‐130時=320時間

実務者研修資格取得のメリット

〇実務者研修修了後、3年の実務経験があれば介護福祉士の受験資格を得ることができます。

〇実務者研修のカリキュラムで、医療行為・喀痰吸引や経管管理の講習と演習をおこなっているので医療ケアができます。

〇訪問介護ステーションにて、サービス提供責任者になることができます。

まとめ

実務者研修は受講後、3年の実務経験が必要ですが、介護現場で学んだ経験を基礎からしっかり学べ、日頃のケアに活かせることができます。
また、介護現場でも、より一層高度な知識と技術が身につきます。