理学療法士の基本はストレッチにあり!!

ストレッチとは身体の筋肉を伸ばし柔らかくするための身近で安全な運動ですが、一般的なストレッチだと筋肉の一部しか伸びないことはご存意ですか?
理学療法士のストレッチは、関節可動域運動を行いつつ関節可動域を維持し拡大を図り、動きやすくしたうえで運動機能の状態を改善していくことから進めていきます。
理学療法士が行うストレッチの種類や方法効果を見ていきましょう。

■ストレッチを行う目的

主なストレッチを行う目的を見ていきましょう。

・各関節の可動域向上
・軟部組織の柔軟性(腱、靭帯、関節包、筋肉、皮膚)
・血液循環の改善
・身体と心のリラクゼーション
・運動後のクールダウン

尚、人体の筋肉は人によって太さや硬さ、伸びやすさが違うためその状態に合わせてストレッチの時間を人それぞれに合わせて柔軟に変えていくしかありません。
大体の目安として約30~60秒以内で無理なく行えることが基本となります。

■ストレッチターゲットを明確化する

筋肉が硬い状態であると関節包や靭帯の硬さの改善効果はありません。ストレッチはターゲットを明確に絞ることで効果を高めていくことができます。集中して筋肉を伸ばすことで、柔軟性を高めていくことができるというわけです。

■関節可動域を維持するための必要な運動

ストレッチは大きく分けて、スタティックストレッチングとダイナミックストレッチングの2種類あります。

◎スタティックストレッチング(静的ストレッチ)
反動を用いることなく筋肉を伸張させた位置でしばらく静止し、ゆっくりと伸ばしていく方法。心と体を休める前に行うといいでしょう。スタティックストレッチは習慣的に行なうことで本来の効果が得られます。

◎ダイナミックストレッチング(動的ストレッチ)
ラジオ体操のなかにある身体を動かしながら反動を用いて筋肉を伸ばす方法で、運動前に行うと効果的です。主にいかの効果を期待して実施します。

・運動によるケガ、外傷の予防
・筋肉の温度を上げるウォーミングアップ効果

反動を使って体を動かしながら筋肉を収縮させたり伸ばしたりしてダイナミックに筋肉の柔軟性を上げていくストレッチになります。

運動前にはダイナミックストレッチングを、普段はスタティックストレッチングを実施することで傷害予防につながります。

■まとめ

ストレッチは、関節可動域運動の技術として位置づけられており、手技の一つにストレッチが含まれているということになります。関節可動域運動とストレッチは厳密にいうと同じではありませんが、リハビリの現場で多く行われている関節可動域運動は療法士の基本中の基本となる技術です。

痛みが出るほど頑張っている人、筋肉に強い負荷でストレッチすると筋肉もリラックス出来ずに緊張した状態になります。ストレッチを強くし過ぎないことも大切です。