ST(言語聴覚士)になるにはどんな勉強をすればいいの?

言語聴覚士の資格を取得するには、言語聴覚士養成校等で勉強することが必須となる国家資格です。ここでは養成校等で実際に行われている、言語聴覚障がいにかかわる「ことば」「聞こえ」「食べること」に関する知識を得るためのカリキュラム内容を紹介し、患者さんをサポートするためにどのような勉強が必要なのかをみていきます。

■ST(言語聴覚士)になるためのカリキュラムとは

言語聴覚士になるためのカリキュラムは、一般教養科目の「基礎分野」やSTになるための基礎を学ぶ「専門基礎分野」、さらに深く学ぶ「専門分野」に分かれています。
今回は「話す」「聞く」などの領域別でカリキュラムの一部を紹介します。

◎【話す】ことに関するカリキュラム
『発声発語障がい学』
声が出る仕組みや、それに対する障がいリハビリ方法を学びます。
『言語発達障がい学』
子どもが言葉を覚えていくまでの過程やそれに対する
障がい・リハビリ方法を学びます。

◎【食べる】ことに関するカリキュラム
『嚥下障がい学』
人が食べ物を食べる・飲み込む仕組みやそれに対してのリハビリの方法を小児・成人・高齢者と世代別に学びます。
『臨床歯科医学』
食べるために必要な歯や口腔(口の中)の機能や病気・障がいについて学びます。

◎【聞く】ことに関するカリキュラム
『聴覚障がい学』
聴覚の機能や障がい・病気について学ぶとともに、リハビリの方法を学びます。
『耳鼻咽喉科学』
聴覚器官(耳)が音を感じる仕組みやその病気などについて学びます。

その他、言語聴覚士の国家試験での試験科目は、「基礎医学」「臨床医学」「臨床歯科医学」「音声・言語・聴覚医学」「社会福祉・教育」「失語・高次脳機能障がい学」「言語発達障がい学」「発生言語・嚥下障がい及び聴覚障がい学」「心理学」など、多くの分野から出題され、専門性、知識の高さが求められます。
そのため、日々の勉強が必要になってきます。

■言語聴覚療法のスキルを上達するには

言語聴覚士は、他業種の専門家と連携して仕事をすることになります。患者さんの多くは様々な問題を抱えていることがあります。
そこで自分は一つの分野しかサポートできないと思うのではなく、他の専門家の視点や情報を取り入れることで、言語聴覚士としての幅も広がってきます。
そのため、特定の分野だけではなく、多くの人と関わりながら学んで応用することが言語聴覚療法のスキルアップにつながっていくでしょう。

■まとめ

言語聴覚士になるには、最初から専門性のある勉強から始めるのではなく、基礎的な医学の勉強から始めるのも良いでしょう。
専門性の高い科目を勉強するうちに、すべてに基礎的な知識が必要だと実感するはずです。勉強する上で、すべての内容を暗記する必要はありませんが、調べたいことがすぐに調べられるように勉強しておく必要があるでしょう。