言語聴覚士が接する患者さんは小さな子供からお年寄りと幅広く、生身の人間を相手にするお仕事なのでコミュニケーション能力が試される仕事になります。
また、医師、看護師、作業療法士など様々な職種と連携を取ることが必要不可欠です。
患者さんの「心」に接する仕事だからこそ、相手の気持ちを理解し根気強く思いやりをもって接する技術や知識以上に求められる共感力、観察力、向上心、豊かな表現力など、人間性が問われるお仕事になります。
■コミュニケーション力は言語聴覚士スキルの基本
一般社会においても、他者との関わり合いを円滑に進めていくため、コミュニケーションは重要です。ただ、言語に関する障がいをもった方と向き合った場合、コミュニケーション手段の1つである“会話”を成立させることがとても困難であることも多いため、相手の意思を解釈しつつ、こちらの意思を伝える力が求められます。
■コミュニケーション力1=共感力
患者さんの中には病気や事故で障がいをもったことで絶望感を抱く患者さんもいます。今まで出来ていたことができず、自分がうまく表現できずに相手に伝わらないことで極度のストレスを溜め込んでしまう患者さんも多くいます。
そんな患者さんの心の声に耳を傾け、必要ならばやさしく受け止めてあげられる気遣いや、共感することも言語聴覚士のお仕事となります。
■コミュニケーション力2=観察力
今の状況に絶望的な気分に消極的になりがちリハビリすら出来ない状況になる患者さんもいます。患者さんの些細な発言、表情、しぐさなど注意深く観察することが必要です。
日々患者さんと向き合う中で小さな変化にも細かく観察しリハビリのモチベーションアップにつなげてみましょう。
■コミュニケーション力3=見極め力
患者さんが自分らしい生活を取り戻すために、リハビリによってどんな事が出来るようになるかと言った未来の明るいビジョンについて患者さんとそのご家族との間でコミュニケーションを取ることも言語聴覚士の役割です。
「退院したら最初に何をしたい」「退院後の生活はどうしたい」など患者さんと将来の方向性を一緒に考え見極める力も大切になります。
■言語聴覚士には常に好適なコミュニケーションを目指す向上心が不可欠
日々進化していく化学、色々な研究成果も発表され言語聴覚士は資格取得後も、これらの新しい情報を取り入れ、積極的に臨床へ取り入れていくことが求められます。
セミナーや勉強会などに参加し新しい情報を得ることも出来ますので、そういった場所へ足を運ぶ積極性も大切になります。向上心を忘れず日々精進する気持ちを維持しましょう。
■まとめ
現在の社会ではどのような仕事に対してもコミュニケーション能力が必要不可欠な社会になってきています。患者さんと上手くコミュニケーションを取ることによってリハビリの進行具合やプログラムの良し悪しにも少なからず影響は出てきます。
一人一人の患者さんと向き合ってその人の性格や趣味・趣向・発言・傾向、そして今患者さんは「どのような事を考え」「どのような気持ちだろう」という点を分析し、患者さんと寄り添いながら一緒に考えることが大切なことになります。
普段から他人に関心や興味をもち、何気ない会話を楽しめる人には言語聴覚士としての適性があると言えるでしょう。