言語聴覚士の定義と仕事内容とは?

みなさんは、言語聴覚士をご存知ですか?主に「理学療法士」「作業療法士」と同じ、リハビリに関係する職業の一つという認識ではないでしょうか?
この職業も、国家資格を有していないと、就業することができません。では、具体的にはどのような仕事内容なのかみていきましょう。

言語聴覚士の定義とは?

日本において言語聴覚士は、1997年に制定されました。「理学療法士」「作業療法士」と並ぶ、国家資格を有していないと就業できない仕事の一つです。

英語表記で、「Speech-Language-Therapist」と呼ばれています。具体的には「話す、聞く、食べる」といったことに不自由のある人に対して、言語能力や聴覚能力などを回復させるためのリハビリなどのサポートを行う仕事です。

どんな仕事内容でしょうか?

言語聴覚士は、文部科学省または厚生労働省が指定する養成機関で学びます。この職業は、
高い専門性を要します。
学校で言語聴覚士を養成するためのカリキュラム規定を修了して、一般教養と言語聴覚障害の専門的な知識や技術を習得するのです。

卒業する前に国家資格試験を受けます。合格すると厚生労働大臣より、免許が交付されます。そして、有資格者として言語聴覚士名簿を登録します。
そうすることによって晴れて、言語聴覚士として、医療機関や福祉などの現場に就職ができます。

どのような障がい者を対象者としているのか?

言語聴覚士が支援する障がいは、おおまかに3つに分けられます。

◎ことばの障がい
◎聴覚障がい
◎食べる機能障がい(摂食・嚥下障がい)

【ことばの障がいとは?】
具体的に言葉の障害とはなんでしょうか。過去の経験で習得していた言語能力(言葉を理解する「話す、読む、書く」)が失われたり低下するなどの、脳機能障がいを指します。また、
言語発達遅滞(知的障がい・自閉症など)が起こることにより、子供の時に言葉やコミュニケーションの習得に、同年齢の子供に比べて遅れが生じたりします。

その他に、正しく発音ができにくい「構音障がい」があります。声の高さや大きさ、イントネーションや速さに異常が出てくることにより、言葉が円滑に出てこなかったり詰まったりするなどの特徴があります。

【聴覚障がいとは?】
「高齢、病気、怪我」により、聞こえが悪くなる場合があります。具体的には、非常に聞こえが悪ければ周囲の音が聞こえないため、生活がしづらくなります。それによって、時には危険な目に遭遇することもあります。その他に、大きな音がきこえる状況であっても、ある状況や音量によっては会話がうまく理解できなかったり、日常生活に影響が出てしまうこともあります。

子供は、乳児期から周囲の大人の話を聞いたり、コミュニケーションを取ることなどを通して言葉を覚えていきます。ですが、生まれつき耳の聞こえが悪い状況によって、言葉の習得が遅れることがあります。

ここでの注意点は、聴覚障がい者であったとしても、適切な支援や指導があれば、言葉の代用としてコミュニケーション方法の習得が可能だということです。

【食べる機能障がいとは?】
病気などが原因で、食べ物を飲み込むことなどが困難になる障がいです。うまく飲み込みの処理ができずに、むせてしまったり気管に入ることにより、肺炎などを引き起こすことが考えられます。

まとめ

怪我や病気といった様々な原因で「言葉、聴覚、食べる」といった点に、障がいのある方たちを支える仕事を「言語聴覚士」といいます。今後も、「言語聴覚士」の役割は重要になっていくことでしょう。