言語聴覚士の対応する障がいへの治療

福祉資格には多くの資格がありますが、ここでは言語聴覚士にしぼり、調べていきたいと思います。言語聴覚士とはどんな仕事なのか、どのような治療法で言語障がい患者に対応していくのかをチェックしてみましょう。

■言語聴覚士・仕事(=治療)の内容

言語聴覚士の対象となる患者は子供から大人・老人まで幅広く、人によって抱える問題は様々で、原因を明らかにし、対応法を見つけ出し、リハビリをし言語聴覚障がい症状の改善をはかることが言語聴覚士の主な仕事です。

◎子供の言葉の発達が遅れていることに対しての対応
絵本を見せ、言葉を引き出し、文字の習得ができるよう指示を行っていきます。

◎大人の言語障がいへの対応
認知症、脳梗塞、交通事故などが原因で起きることが大半とされております。そのため、言葉にしたくてもしゃべれない、表現できないなどということが起こりますので、そこで言語聴覚士は患者さんが自分の気持ちを言葉にできるように、リハビリのプログラムを組み立てていきます。

◎その他の対応
飲食物の飲み込みがうまくいかずに、口からこぼれ落ちてしまったり、むせてしまったりする人の原因を調べ、その症状に対しての対処を行うこともあります。
飲み込みは人間の反射によって行われる動作ですが、脳の障がいなどが起きるとその動作に反射がうまくできなくなります。
そこで、反射を高めるための訓練を行うというのが言語聴覚士の主な仕事となっています。

■言語聴覚士の専門的に対応する障がいの種類

◎失語症
失語症とは、脳出血、脳梗塞などの脳の言語機能の中枢が損傷されることで今まで獲得した言語機能(「聞く」「話す」といった音声に関わる機能、「読む」「書く」という文字に関わる機能)が障がいされた状態の事をいいます。

◎高次脳機能障がい
高次脳機能障がいとは、主に損傷によって起こされる様々な神経心理学的障がいです。

◎言語発達障がい
言語発達障がいとは、その年齢で水準とされることばの発達が満てなく、年齢的に使えるはずのことばが使えず遅れている、表現することばの力が遅れている、ことばの理解が出来ない、会話が困難で発音が正しくできないなど生活に支障をきたしている状態のこと言います。

◎聴覚障がい
聴覚障がいとは、聴覚の機能に何らかの障がいがあり、音が聞こえない状態、音が聞こえにくい状態のことを言います。
生まれつき以外に、病気や事故、加齢によって聴覚障がいになることがあります。

◎音声障がい
音声障がいとは、声が肺から送り出されるため呼気が声帯を振動することによって発生します。しかし、呼気が弱かったり、声帯に何か異常な問題が生じ、声が全くでない失声症、がらがら声、濁った声、しわがれ声、かすれ声などになります。
そのような音声が異常になり、本来の声の状態ではない事を言います。

◎構音障がい
構音障がいとは、ことばは理解し、伝えたい言葉はハッキリしているのですが、音声を作る器官やその動きに問題があって発音がうまくできず、ブツブツ途切れる、息の音が混ざる、不規則になる、不明瞭になる状態のことを言います。

◎摂食嚥下障がい
摂食嚥下障がいとは、脳血管障がいによる麻痺や、神経、筋疾患、また加齢による筋力の低下などが主な原因です。
そして、摂食嚥下障がいの典型的な症状は、飲み込みにくい、むせる、といった症状のこと言います。

■まとめ

言語聴覚士という資格を持つことで、こんなにいろいろな障がいを抱えた方々の対応をしていかなければいかず、大変なことだと思います。
しかし、障がいで苦しんでいた方々を少しでも良い状態にしてあげることが出来れば、この仕事、言語聴覚士は最高のお仕事だと思えるのではないしょうか。