介護分野において中心的な役割を担うのが「介護福祉士」です。高齢化に伴いデイサービスや老人ホームなどの入居施設、そして病院においても介護福祉士の需要は高く、求人情報を見ればどの地域においても多くの事業所で介護福祉士が募集されています。
介護福祉士として就職することは比較的簡単ではありますが、多くの人は、仕事を始めてから様々な悩みを抱えているようです。
・昇給が少ないので将来が心配
・主任やリーダーといった役職になっても、大して手当がつかない
・給料は変わらないのに、責任を伴う仕事ばかりしなければならない
・日々、淡々と仕事をしているだけで自分は成長できているのか不安
このような悩みを抱える方は少なくありません。
実際に介護分野における離職率は高く、人材を確保するために国や市町村も研修費の助成や就職先の紹介など様々な政策を実施しているくらいです。
悩みの多くは「給与や待遇について」と「将来に対する不安」です。
介護事業所の収入は介護保険で定められている「介護報酬」に大きく依存するため、収益を上げていくことが難しいとされています。
そのため、職員の昇給にも反映されにくく、長く勤めていてもほとんど昇給がないという状態になるのです。
また、介護福祉士は能力の可視化・数値化が難しいことも給与が上がらない原因となっています。
上司や経営者にアピールをしたくても他の職員との差別化が難しいため、給与に直結しません。
○介護福祉士が転職を考える前にすること
今の職場では昇給や自分の成長が実感できない場合では、別の事業所や介護分野以外への転職も視野に入るでしょう。
しかし、次の職場へ転職すれば、また新たな悩みも必ず生まれます。
転職するということも大事な選択肢のひとつですが、まずは今の職場で出来ることがないか、もう1度考えてみることもまたひとつの選択肢です。
○年間目標を決めよう!
「給与が少ない!」「ここの職場ではキャリアアップができない!」と嘆く前にまずは業務やキャリアアップにおける年間目標を立ててみましょう。
例えば、1年目終了までに介護業務全般は上司の指示がなくても自立して行うことができる、2年目終了までに後輩の介護福祉士へ教育できるだけのスキルを身につけておくといった具合です。
できれば3〜5年間分の目標を立てて、さらに半年ごとの短期目標も考えておくと良いでしょう。
もし、この年間目標が達成できなければ、今の職場は自分には適していないのかもしれません。
どんな職場でも5年間在籍すればおおよその内情はわかるため、これから今の職場に勤めても目標の達成が難しい様であれば転職を検討してみましょう。