コリや冷えを感じたとき、マッサージをしたりツボ圧しをしたりすると、痛気持ちいい感覚が得られますね。ツボを刺激する箇所として良く知られているのは、足裏や手のひらだと思います。しかし、実は頭や顔にも重要なツボが集中しているのです。
○頭部の反射区を刺激して血行を促進
手のひら(ハンドマッサージ)や足裏(リフレクソロジー)の、ある部分を刺激することで、離れた内臓や消化器官などの働きを浴する効果が得られるポイントを「反射区」といいます。
手や足と同じように、頭部にも全身症状に対応した反射区やツボが数多くあります。頭部トラブルだけではなく、全身の血行を促進して内臓機能アップやストレス軽減を図りましょう。
○頭の脳内血行が悪くなると全身に影響が
頭の中にある脳は、全身の働きや活動をつかさどる司令塔です。五官の感覚が鈍っているような気がする、体全体のひえをいつも感じる場合、その元となる原因は脳内部の血液循環が滞っているせいかもしれません。
脳内の血行が悪くなると、自律神経系の機能にも影響を及ぼします。自立神経の機能が低下すると、自分の体を正常に維持しづらくなり、抵抗力が落ちて免疫力が弱まります。生活のリズムも狂いやすくなり、夜に十分な睡眠がとれず日中も元気に活動しにくくなって悪循環に陥ってしまいます。
○頭の血行をよくするツボは
頭が重い、ハッキリしないと思ったときには、目頭から眉に沿ってゆっくりと圧してみましょう。眉山の辺りにある魚腰(ぎょよう)というツボは、脳の血流を改善して自律神経を整える効果があるとされています。
頭のてっぺん・こめかみがキリキリと痛み出したら、自律神経が上手く機能していないサインかもしれません。ホルモン分泌や神経の働きが上手くいかずに痛みとなって現れやすくなるので、眉頭にある攅竹(さんちく)や額の髪生え際にある前髪際(ぜんぱつさい)を刺激します。
○頭鍼療法(とうしんりょうほう)で不調改善
後頭部の首付け根真ん中あたりにくぼみがありますが、これは「ぼんのくぼ」と呼ばれる部分です。ぼんのくぼから頭頂部にあるツボ百会(ひゃくえ)をつなぐ一線上を四等分し、上から「頭部・背部・腰部・下半身」と考えてマッサージすると、その部分で気になる不調が改善されるという考え方が「頭鍼療法」です。
頭をマッサージすることで、背中や腰、腹部から足にかけての下半身の不調を改善する効果を実感できるかもしれません。
○頭皮の血行を促進させてマッサージ効果アップ
頭皮は、緊張すると硬くなります。緊張状態にあるということは頭皮血行が良くないサインです。硬くこわばっている頭皮のツボを圧しても効果はなかなか上がりません。
頭全体を五本指の腹でマッサージして、皮のツッパリを解消してからツボを圧しましょう。
頭のてっぺんがくぼむ「頭部瘀血(とうぶおけつ)」があれば、普段から意識して周囲を揉むようにしましょう。放ったままにするとくぼみは大きくなっていき、気分が落ち込みやすくなり、若年性更年期障害を促すこともあると言われています。