床ずれ発見!何科を受診すればいいの?

寝たきりで過ごしている入院生活や、座りっぱなしの姿勢を保持し続けている、腰痛や足のけがなどで体を思うように動かせない時間が長くあった、という人に多く発症するのが床ずれです。
皮膚に赤い斑点ができた、赤みがなかなか引かない、皮膚が破れて体液が出ている…
このような創傷を確認したら、まず床ずれを起こしていると思ってよいでしょう。


○床ずれの治療とリスク
外傷性薬を塗布すれば、軽度の床ずれなら直る可能性はあります。しかし、継続して同じ姿勢を再び取り続ける生活を強いられている場合は、再び同じところに床ずれを発症するリスクがあります。
また、感知するより進行するスピードのほうが速く、表皮より深いところにまで傷が進行してしまうことも十分に考えられます。

 
○床ずれは病院で継続治療を
まず、床ずれを確認したら速やかに病院受診をしたほうがよいでしょう。しかし何科を受診したらいいか迷ってしまいますね。何科を受診するのがよいか、それはこれまでの診療受診歴や、身体の状況によっても異なってきます。

 
○床ずれを在宅治療で行う場合
これまで、健常な状態が続いている合間に床ずれを発見し、今後在宅でケアを行っていくという予定の人は、まず床ずれをおこした部分を皮膚科で診てもらいましょう。外用薬を処方してもらい、傷のケアとスキンケア双方から、床ずれの完治を目指します。
ただ、注意しなければならないのは、床ずれが単なる外傷ではおわらないという点です。特に一人暮らしの高齢者など、生活面すべてを管理するのが本人のみの場合、食事の偏りで血流に問題が生じている、また姿勢保持の取り方・活動稼働時間の短さなど、床ずれを引き起こしやすい環境で日常生活を送っている中での、発症リスクの改善が必要な場合があります。
このような場合は、栄養状態などの全身観察を行うために内科を合わせて受診しましょう。いつも生活している様子を把握しながら、圧迫を起こす原因となる臥床位や座位の確認もしてもらえるとさらによいですね。

 
○床ずれを入院して治療する場合
床ずれの状態を診察してもらい、深部に達していたり、浸出液が多く自分で処置することが難しい状態の場合は、集中的に治療を実践するために入院をすることもあります。
継続的な傷の処置と合わせて、スキンケア、血流促進のための食事療法や全身運動を兼ねたリハビリ等を行うことができる診療施設で内科や外科など、複合的に受診できるのがベストです。
また、別の病気や治療のために入院した患者が、床ずれを起こすことは珍しくありません。臥床状態が長く、身体機能が乏しく(または麻痺などで失われている箇所は)圧迫に対する感覚が薄れ、完全看護を行っていても自覚症状がないため、床ずれを発見するまでに時間がかかることもあります。
定期的にポジショニング移動を行い、また体圧を逃がす医療用寝具を使用しながら、外用薬塗布、殺菌洗浄を繰り返すことで快方に向かうよう継続的な治療を行っていきます。