褥瘡の治療に欠かせない 適切な軟膏を選ぶポイント

褥瘡は、その発症時から進行する傷の深さと広さによって、適切な治療を行わなければ、上手に快方・治癒に向かいません。
症状と深度に対して、効果が期待できる外用薬とドレッシング材を用いた治療を計画的に、そして傷の治り具合を見ながら、適切に軟膏や治療法を変えていく事が非常に大切です。


○浅い褥瘡と深い褥瘡は違う
褥瘡は、傷の広さを一見しただけではその正しい状態を判断するのが非常に難しい創傷です。皮膚表面の浅い症状でとどまっている場合もあれば、傷そのものは見た目小さくても、深部に及ぶところまで欠損が進み、深部で壊死が進んでいる可能性もあります。

 

●ガイドラインに沿って正しい治療を
褥瘡の深さに応じて、適切な処置を行うために、DESIGN-R?では5段階に深さの分類が明示されています。
Depth(深さ)の段階に応じてd・・・浅い損傷とD・・・深い損傷に分け、0からUまで分類し、創内の最も深い部分で評価することとガイドラインでは示されています。

 
●浅い創傷の場合
DESIGN-R®で示す0(皮膚損傷・赤みなし)の場合には、特別な軟膏やドレッシング材の使用を伴う処置は必要ありません。通常の皮膚保湿と清潔に保つ環境ケアを継続することとなります。しかし、d1~d2段階に示される(持続性のある赤み・真皮までの損傷)症状が確認された場合には、フォルム材や薄いハイドロコロイド材で保護をし、油性の軟膏を使用して保湿する必要があります。
これが進行すると滲出液が出てきますが、表皮剥離または水疱破れなど滲出液が少ない状態ならば、同様の処置で充分です。浅い創傷が進めば、滲出液吸収作用がある軟膏を併用するようにします。

 
●深い褥瘡の場合(D3~)
皮膚の欠損を確認し、皮下脂肪や筋膜・筋層が露出巣した状態や、それが肉芽組織で覆われた状態を「深い褥瘡」と判断し、処置を行います。
具体的にどの軟膏やドレッシング材を用いるかは壊死組織があるか、また滲出液が多いか少ないかなどの状態を見て判断する事になります。
深部にまで達した創傷は、感染を避けて壊死化を防ぎ、肉芽形成を促すための、目的に応じた軟膏を用いなければなりません。肉芽組織が形成されている状態なら、トラフェルミン・アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート(アルキサ軟膏)、ブクラデシンナトリウム(アクトシン軟膏)などを処方します。
褥瘡は深くなれば、滲出液の量が必然的に増えてきます。ドレッシング材の取り換えを頻回にし、効果のある軟膏を根気強く用いながら、その効用を1~2週間程度のサイクルで確認していかねばなりません。改善されなければ原因を考え、別の薬剤へ切り替えを行いながら継続治療を行いましょう。