血の流れが悪いために引き起こされる体の変調は?

「血行が良い人は健康だ」と言うのは良く聞く話。血の流れが良いという事が健康な体作りのために必要だという考えは、漠然とした知識として根付いている人も多いでしょう。
では、血の流れが悪い場合、体に及ぼす影響にはどんなものがあるかご存知ですか?

○血行障害とゆがみ

血の流れ(血行)が悪い人は、冷え症や肌荒れ、ニキビなどの美容的な悩みを始め、頭痛や眼精疲労、腰痛や倦怠感など、体の痛みをともなう症状が引き起こされ、自覚症状として表れる場合があります。
このほかに、血行が悪い事で起こる症状に「コリ」があります。
血行が悪く、うっ血した状態をコリと表現します。みなさんが良くご存じなのは、肩こりや首こりのように、一か所が重い・痛い・硬くなるという風な症状でしょうか。
これは、血が不足(うっ血)することで周辺筋肉が硬くなり、違和感や痛みがでた状態。この硬直を放置してしまうと、次第に体のゆがみが出てきます。硬直した状態が長くなればなるほど、その歪みを戻すのも難しくなります。そして更に血行が悪くなり、この悪循環から抜け出せなくなってしまいます。

○血行障害からくる重大な病気

血行障害が体に与えるダメージは、改善や症状緩和が簡単なものから、重大な病気の要因となるものまで、程度は様々です。
●認知症
血流が悪い状態は、内臓機能や脳にもダメージを与えます。脳内をめぐる血がドロドロの状態で血管が詰まりやすくなっていると、現代病と言われる脳梗塞や脳出血という病気を引き起こしやすくなります。脳の血管障害によって、実際には重症化しないまま小さな発作を繰り返すこともあり、繰り返すとだんだん脳の機能が低下して認知症になってしまいます。
この血管性認知症の場合は、手足のしびれを小さな発作でかんじることがありますので、自覚症状を見逃さずに対処することも必要です。
●突発性難聴
突然耳の聞こえが悪くなる原因不明の耳の病気。それが突発性難聴ですが、この原因は、ウイルスが関係している説と、毛細血管の血行障害が機能不全を起こす、内耳循環障害説があると言われています。
毛細血管の先にまできちんと血が通わないことが、耳の不調の原因とも考えられる程、血の流れの悪さは深刻な状態を引き起こす可能性があるのです。

体の不調を感じた時、それは充分な血液が体を巡っていないことが原因かもしれません。食生活や不規則な習慣を改善して、血流を良くする生活へシフトすれば、体調改善に近づくことができます。