血行改善に効果あり 簡単なストレッチ

血行が悪くなると、各所にしびれや重みを感じ、次第に痛みに変わっていきます。これが「こり」と呼ばれる状態ですが、体のこりが慢性化すると、筋肉の血流も悪くなり、慢性化して筋硬直してしまうので、なめらかな動きができなくなってしまいます。体にしびれやこりのようなこわばりがあると、躓きやすくなり、転倒しかかった際にうまく手をつけない、膝から転べずに大転倒してしまいケガがひどくなる、ということも起こります。また血行の悪さが原因で充分な栄養を体に供給できず、手に力が入らない・頭がはっきりしないという症状も助長します。寝たきりや車いすの姿勢でも簡単にできるストレッチを取り入れることで、全身の血行を促すことが可能です。

○上半身ストレッチ

首には脳に繋がる太い動脈が集中しています。まずは首から肩にかけての筋ストレッチをして柔らかくし、この動脈の血流を良くしてあげましょう。頭がはっきりして、肩がじんわりと温かくなるのを実感するほど即効性があります。

●簡単な首ストレッチで効果大

上半身の力を抜いて、背中が曲がらないように注意しながら、ゆっくり頭を前後左右に倒します。自然に呼吸をしながら、それぞれの方向に10秒程行いましょう。寝た姿勢の場合は、左右に動かすだけでも効果は期待できます。頭に軽く手を添えて少しだけひっぱるように負荷をかけてあげるのもポイントです。

●肩を柔らかくして腕も伸ばすストレッチ

両手を前で組み、腕を前に思いっきりのばします。この時に胸から前へ腕を突き出さずに、肩甲骨を左右に広げるようにして、やや肩を丸めるような姿勢で腕を前に出しましょう。肩全体の筋肉が広がり、筋肉に刺激がいきわたる感覚があれば正しく行われています。

○下半身ストレッチ

重力に逆らって心臓に血液を送り返すためには、本来充分な筋力をつけることが重要です。ふくらはぎから足首にかけての筋肉(ヒラメ筋)を柔らかくしてあげると、下半身の冷え予防にもつながります。

●足全体をつま先からさすりあげる

病床や車いす生活では、下半身のストレッチを自力で行うのは難しいでしょう。介助の合間に簡単にできる筋肉ほぐしのストレッチを行うだけでも血行が改善されます。膝を軽く立てて足首を包み込むように両手で持ち、そのまま膝裏までふくらはぎの側面から裏をさすりあげます。次に膝裏から太ももの両側をさすりあげるようにして、足の付け根まで手を運びます。これを10回ほど繰り返します。

●股関節をさする

デリケートな部分ではありますが、太ももの付け根にはリンパが集中しています。コマネチのように、内ももから股関節に向かって(同じ方向で)10回ほどさすります。ふくらはぎをさすった後に、また体が温まっている入浴後に行うと効果が更に上がります。