言語聴覚士を志すきっかけや理由とは?

リハビリの3職種といわれる言語聴覚士は言語や聴覚、嚥下機能に何らかの障がいがある方に対してリハビリを行い、機能の回復を図ることで再び自立した日常生活ができるように支援したり、ときには社会復帰のための手伝いをしていきます。

医療や介護、福祉業界に勤めている方には馴染みのある職業ですが、世間では言語聴覚士という職業を知らない人がまだまだ多いのが現状でしょう。
では、言語聴覚士として働いている方や作業療法士を目指して勉強に励んでいる方はどのようなきっかけで言語聴覚士を志したのでしょうか?

○言語聴覚士を志したきっかけとは?

①両親が医療関係者だった
言語聴覚士を志すきっかけで多いのが「両親が医療関係者だった」という理由です。
特に母親が看護師だったケースがとても多いと思います。
看護師として働く中で言語聴覚士のやりがい、夜勤ないこと、給与面などをみて子どもに勧めるようです。
自分と同じ職種の看護師を勧めないのは仕事の大変さを知っているからでしょう。

②祖父や祖母が言語療法を行っていた
「両親が医療関係者だった」に並んで多い理由がこの「祖父や祖母が言語療法を行っていた」です。病気によって言語に障がいがあったり、誤嚥するために普通に食べ物が食べられなかった祖父や祖母が言語療法によって回復する姿をみて「自分もこんな仕事がしたい!」と自ら言語療法士を志す方もおられます。

③自分が言語療法を受けたことがある
この理由はやや少ないかもしれませんが、理学療法士や言語聴覚士を志す方では多い理由です。
理学療法士や作業療法士は骨折や靭帯損傷といった運動器の障がいも対象となります。
「子どもの頃に骨折して、リハビリを受けたから」と理由を挙げる人も少なくありません。
理学療法や作業療法に比べて、言語療法を受けることは中々ありませんが、「小児麻痺や発達障がいで子どもの頃に言語療法を受けたことがきっかけ」という方もおられます。

④臨床で言語療法士の必要性を感じたから
理学療法士や作業療法士、または看護師などで勤務していく中で言語療法士の必要性を感じて資格取得を目指す(ダブルライセンス)という理由もあります。
病院や介護施設では特に嚥下機能の知識を深めたい、誤嚥によって食事が入らずに徐々に状態が悪化する患者様がきっかけで資格取得を志す場合が多いようです。

⑤ボイストレーナーになるため
少し変わった理由ですが、言語療法士の資格をもったボイストレーナーの方もおられます。
ボイストレーナーになるには音楽系の大学や専門学校に通ったり、民間の音楽スクールでトレーニングを積み重ねる方がほとんどですが、「発声の仕組みそのものを学びたい」「ボイストレーナーになれなかったときのために国家資格を取得しておきたい」といった理由があるようです。