家族介護に役立つ介護職員初任者研修とは?

超高齢社会まっただなかにある日本では、高齢者の介護や生活支援の重要性が、日に日に高まっています。介護の現状に関する特徴として、要介護者の多くは同居の家族によって介護されているという点が挙げられます。
そこで今回は、家族介護に役立つ介護職員初任者研修について見ていきましょう。

介護職員初任者研修と家族介護

介護職員初任者研修は、介護職員を目指す方が最初に取得したい資格ですが、家族を介護している方にとっても役立つ資格となっています。
家族を介護されている方は、独自の介護の仕方が正しいのか否かなど、手探りで介護をされている方も多いのではないでしょうか。
そのような介護をする生活が原因で、精神的な病に臥される介護者も多く、その多くは在宅での家族介護を要因とした精神的にも身体的も限界を感じての発症のようです。

また、介護で困難に感じることは排泄介助であると、介護者の認識が一致しており、そのほかには、入浴や移乗、食事介助など、日常生活で必ず必要なことが難しいとされています。
さらに、介助は自分がおこなう普段の動作を要介護者にさせるには無理があり、特に認知症高齢者に対しては細心の注意が必要となってきます。
そのような家族介護においては、介護者も要介護者もお互いに楽になれる介護の方法を見つけなくてはいけません。

介護職員初任者研修は、日頃、何気なく要介護者に介助をする場面など、知りたい専門技術が学べるので、日頃の不安や負担を軽減する手助けとなってくれる資格でしょう。

介護職員初任者研修とは

介護職員初任者研修を受講することで、介護の基本となる介護保険制の概念や、介護に必要な知識、介護をする際にもっておくべき理念などが習得できます。

介護を専門とする仕事に就く場合、介護の仕事は大きく分けて、掃除や買い物など要介護者に関わる「生活援助」と、排泄・食事・入浴などの要介護者の身体に触れて介護をおこなう「身体介護」の2種類があります。
このうち、身体介護をおこなうには、介護の資格を保持していることが義務付けられています。介護職員初任者研修を習得することで、身体介護を通して、直接介護者の介護がおこなえるようになります。

このように、介護職に就く方においても、介護に携わる第一歩として介護職員初任者研修は大きな意味をもちます。
家族介護においては、専門的な知識と技術が身に付くことから受講することで不安や心構えができるのです。

介護職員初任者研修を受講するには

介護職員初任者研修の受講・受験資格は特にありません。未経験・無資格の方でも資格取得を目指すことができます。
この資格を取得するには、講義と演習が一体となった130時間の研修を修了して、修了試験(筆記)で合格することが必要です。

スクールでは、平日コースのほか、土日コース、土曜日のみまたは日曜日のみの週1コースなど、さまざまな開講コースがあります。
また、130時間の研修については、通学(スクーリング)+通信で消化可能です。通信学習を選択した場合、89.5時間は必ず「通学(対面による講義)」を受ける必要があります。
これは、実際にベッドや車いすを使用した介護技術を習得する必要があるためです。

まとめ

介護職員初任者研修を受講することで、これまで知らなかった高齢者との関わり合い方を知ることができます。
特に認知症においては、複数の事例から適切な対応方法などの理解も深めることができるので、家族介護を始める方、すでに行っている方におかれましても習得したい講習となっています。