認知症の方へのケア・サポートについて専門的・実践的なノウハウを身に付けることができる認知症介護実践者研修。その過程で必須となる実習については、自施設実習という形式を取ることが一般的と言えます。それを利用する際に、踏まえておくべき条件とは何でしょうか。
認知症関連の介護職向け研修
知症に関する介護職員向けの研修は、受講者のレベルに応じて3種類設定されています。各研修は、受講者が勤務する介護施設所在地の都道府県によって主催され、その委託を受けて地域の社会福祉法人が実施する形式が主です。
認知症の方を対象とする施設・グループホーム・通所介護においては、研修修了資格を持つ職員の配置が義務付けられている場合もあります。そのため、介護職としてのキャリア形成に役立つ資格研修の一部と言えるでしょう。
具体的な研修3種は、以下の通りとなります。
認知症基礎研修
認知症介護の経験が浅い介護職員向けの研修です。認知症介護に対応する施設で介護に携わる勤務という条件を満たしていれば、それ以外の受講条件はとくに問われません。
主に、講義と演習を通して認知症に関しての基礎知識や技術を学習する内容です。履修に要する時間は7時間程度となっています。カリキュラムに参加することで修了資格が得られ、検定試験はとくに設けられていません。
認知症介護実践者研修
ある程度の業務日数を経て、2年以上の現場経験を積んだ介護職員を対象とした研修です。勤務年数以外の、具体的な受講資格は都道府県によって異なります。
カリキュラムは、計35時間の講義および演習と、2週間ほどの実習(介護現場での実践)で構成されています。実習後に実施されるレポートの提出および発表をもって、修了認定となります。
認知症介護実践リーダー研修
認知症介護実践者研修の修了後1年以上経過し、かつ介護実務年数5年以上など、現場においてリーダーとしての働きが求められるベテラン職員向けの研修です。そのほか認知症介護に携わっていることが受講の条件になります。
履修内容は、講義と演習を計55時間受けた後、他職員に対する指導実践について4週間に渡って実習する流れとなります。実習でリーダーに必須となるスキルを身に付けたと判定されれば、修了認定を得られます。
自施設実習とその条件
初級の研修に相当する認知症基礎研修では、業務における実践に当たる実習は行われません。しかし、中級および上級に相当する他の2研修では実習に際し、その対象者となる方の協力が必要となります。
実習は、受講者が勤務している介護施設にて実施する、自施設実習という形式が一般的と言えます。これを行う場合、認知症介護実践者研修においては認知症の状態にある施設利用者の方、認知症介護実践リーダー研修においては指示を受ける介護職員、それぞれの参加協力が不可欠です。
そのため、研修を受ける際には前もって、実習に協力していただく方から了承を得ておくことが必要となります。
まとめ
以上のように、認知症に関する分野の介護研修資格それぞれの概要を抑えながら、認知症介護実践者研修ならびに認知症介護実践リーダー研修について、実習対象となる方々からの協力が不可欠であることを確認してまいりました。
研修カリキュラムの重要部とも言える自施設実習では、勤務先である介護施設側のバックアップ体制が必須となるわけです。
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