超高齢社会を支える「終末期ケア専門士」の受験資格と内容

昨今の日本は少子化が進み、さらには超高齢社会に突入しています。その社会の中で、現在注目されているのが「終末期ケア専門士」と呼ばれる職業の方々です。

今回は終末期ケア専門士の受験資格とその内容や看取りケアパートナーとの違いをご紹介いたします。

看取りケアパートナー・終末期ケア専門士

両者は「人の死を看取る」という意味で混同されてしまいがちですが、明確な違いとして実務経験の有無があります。

○看取りケアパートナーの受験資格→実務経験は不要、通信教育や講座を受講し取得可能。

○終末期ケア専門士の受験資格→実務経験年数(業種により2~3年以上)。

看取りケアパートナーは必要に応じた介護及び心理的支援を学び、主に家族や身近な人物が穏やかに最期を迎えられるようにサポートできる資格です。

一方、終末期ケア専門士は職業として、親類縁者などではない人物を看取るための資格です。キャリアアップのために、看取りケアパートナーの資格保有者が終末期ケア専門士の資格を取得する場合は、実務経験を積むことが必要です。

終末期ケア専門士の受験資格

受験資格は、実務経験が必須条件となっています。業種により2年以上と3年以上で分かれており、介護士から終末ケア専門士を受験する場合は「3年以上の実務経験」と「実務研修修了証」が必要になります。

受験前の注意事項

以下の注意事項をよく確認して受験しましょう。

○実務経験を証明する機関は「終末期ケア・ホスピスケア専門」である必要はありません。

○看取りの経験は無くても構いません。

○有資格者であっても、実務経験証明書の提出が必須です。

○各経験年数は、該当資格を取得した日から申請書類提出日までとしています。

○経験年として、勤務は常勤・非常勤の雇用形態は問いません。

○対象者のうち罰金以上の刑に処せられた者、業務に関して犯罪・不正行為があった者、心身障害により業務を適正に行うことが出来ない者として定められた者、麻薬・アヘンなどの薬物中毒者の受験は不可です。

2年以上の実務経験必須の業種

今回は介護関係向けのご紹介となりますので、主に介護従事者をピックアップして見ていきます。

~介護従事者~

○介護支援専門員

○社会福祉士

○精神保健福祉士

○介護福祉士

その他、医療従事者・理学療法士・放射線技師・臨床検査技師・歯科従事者・救急救命士などが該当します。

3年以上の実務経験必須の業種

以下の業種は、介護従事者とも深い関わりがあります。音楽療法士や栄養士から終末期ケア専門士を目指す方も少なからずいらっしゃるでしょう。

○栄養士

○准看護師

○臨床心理士

○音楽療法士

○介護士(実務経験修了証のコピー提出必須)

受験~受験後の内容

終末期ケア専門士の勉強内容は、多岐に渡ります。主に公式テキストを使い独学で進めるのが一般的ですが、協会が開催している試験対策講義もあります。上手く使いながら進めていきましょう。

試験は毎年10月頃に行われており、申請期間は4月1日~9月15日ごろまでです。全国270箇所の会場でパソコンを使い、選択肢をマウスでクリックしていく方式です。

出題数は90問、制限時間は90分です。(最新の情報は公式ホームページをご覧ください)

合否通知は12月下旬ごろに郵送にて届きます。1月5日までに届かない場合は、協会へ問い合わせてください。終末期ケア専門士の登録料として10,000円と、3年ごとに更新料5,000円が必要になります。

まとめ

既に日本が迎えている超高齢社会を支える職業として、終末期ケア専門士の需要は高まっていくと考えられます。

人を看取るという職業は、今後も求められ続けていくでしょう。しっかりと受験資格や内容を理解して対策を行いましょう。