人材不足が続く介護の現場に復職することを条件に、再就職貸付金という制度があるということをご存知でしょうか?今回は、その内容と条件、メリットなどについてみていきたいと思います。
介護現場の現状
介護を取り巻く問題は、在宅においては、老々介護や介護サービスの人材不足をはじめ、待遇の改善問題、施設不足による介護難民問題など課題が山積しています。
介護保険がはじまった2000年より、年々増えていく高齢者の数にともない高齢化率も増加の一途をたどっています。
そのような現状でも現場の職員は介護の質を落とさず、日夜頑張っています。
2025年問題と今後の予測
団塊の世代が75歳を迎えるのが2025年問題です。日本の人口比率の中で一番多い年齢層ですので介護現場にとっても大きな課題となっています。
内閣府が発表した2018年の高齢者白書によると65歳以上の高齢者が約30%の約3657万人となり、それに並行して認知症患者も700万人になると予測されています。
2020年現在の推計では、高齢者数は約3000万人であり、介護人材の需要216万人に対して約26万人が不足しています。2025年後には、さらに介護人材の需要245万人が予想されています。
特に地方より都市部の方が深刻化している現状です。 2018年度より厚生労働省は毎年6万人の介護人材を増やすための施策として処遇改善などを手厚くすることで人材確保を目指しています。
介護士の再就職貸付金とはどんな制度なの?
再就職貸付金とは、もともと介護経験があり離職してしまい復職しない介護士を活用するため、国が準備金をだし復職支援するための施策であり、2017年度までは、20万円を上限におこなっていました。
また、2018年度の当初は、一部の都道府県や東日本の被災地、介護職員の確保が難しい都道府県14県に限り最大40万円の貸付がおこなわれていました。
しかし、2020年の新型コロナウイルス感染症の影響で、介護職員の確保が困難になったため5月に閣議決定がおこなわれ全国一律に40万円となることが決まりました。
再就職(準備)貸付金がもらえる条件とメリット
再就職貸付金は、介護事業所に復職するための貸付金です。以下の要件を満たすことが対象となります。
・介護の現場において1年以上の実務経験があること
・介護職員初任者研修以上の資格を持っていること
・介護事業所に介護職員として就職すること
・再就職する日までに、都道府県福祉人材センターに届出を行い、定める再就職準備金利用計画書を提出すること
以上の要件を満たしている方でしたら是非活用するとよいでしょう。
また、最大のメリットとして復職して2年以上すると再就職貸付金40万円が全額返還免除となります(都道府県によって、詳細な条件は異なります)。
再就職貸付金はどのようなものに使えるの?
再就職貸付金で利用できる復職に向け準備、購入する対象とは、どの様なものがあるのでしょうか。 例えば、就職のための転居費用、敷金や礼金、通勤のための自転車や自動車、専門書や参考書、専門知識を学ぶための講演会やセミナー、再就職するためのユニホームや衣服、その他業務に必要な用品などの購入費が対象となります。
まとめ
今後、介護業界は人材不足が、ますます深刻化していくことが考えられています。国もその対策としてさまざまな施策を講じて、特に処遇改善に力を入れていますので、今後、好待遇で収入アップも、期待できる業界です。
介護の仕事に復職したいと思われている方は、是非、再就職貸付制度を利用することをおすすめします。
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