介護職員のメンタルケアは相談窓口の利用を!

介護職は、やりがいのある仕事の反面、悩みやストレスを抱えやすく離職してしまうこともあります。介護職員が抱える様々な悩みやストレスのメンタルケアや相談窓口について調べていきましょう。

介護職員の現状

全体的な傾向として人手不足に陥っている施設がめだち、職員の数が少ない施設は多くの業務をこなさなければならない為、忙しさが際立ちます。

「介護職員の仕事はつらい、大変だ」と言われることが多く、職員が働きやすいようにパートを積極的に正社員として採用して対処し、夜勤時間を減らすなど様々な方法で介護職員の待遇を改善していくことが求められています。

介護職員の悩みやストレス

介護職の悩みは、職場の形態や立場によっても異なります。介護の仕事は人間同士が近い距離で長い時間接することが多く、認知症の利用者や、不穏な状態になる利用者にきつくあたられたり、職員同士で衝突したりすることでストレスが溜まりやすいと言われています。

1.日々の業務
介護の仕事は感情のコントロールが必要な感情労働と言われています。自分の感情を制御して時には気の進まない仕事や利用者の介助に、仕事だからと割り切っていても、知らない間にストレスになり、責任感や緊張からストレスが溜まります。

2.人間関係
介護職員は周りの職員と連携して行う仕事ですが、皆同じやり方や同じ仕事のスピードで対応できるとは限らず、仕事の速い人やマイペースな人、介助の仕方が違う人など様々な事情を抱えた職員との連携仕事で、忙しい現場ほどすれ違いからお互いにストレスを感じ抱えてしまうことがあります。

介護職員のメンタルケアの必要性

昨今介護職員へのメンタルケアが必要であることが認知されてきました。

1.介護職員は利用者の心に触れる仕事
介護職員は利用者に一番近くで接し、利用者の心に寄り添う仕事です。日によって不穏な状態で、時には手を出してくる利用者もいれば、体調不良で機嫌が悪くなってしまうこともあり、その場は優しく収めても心は傷ついてしまうなど、利用者と接する時間が多い介護職員にはメンタルケアが必要です。

2.ストレスからくる心の病気は離職の悪循環へと繋がっていく
介護職員は仕事からのストレスで心の病気を引き起こしてしまうこともあります。うつ病やパニック障害などで仕事に支障をきたすような病気になってしまうこともあり、退職や休職を余儀なくされます。
職員不足から職員同士の衝突やストレスに繋がりますので、そういった悪循環は早めのメンタルケアが必要です。

介護職員の悩みやストレス相談窓口

介護職にまつわる悩みやストレスは多方面にわたります。職場での人間関係も同じで仕事ぶりを認めてもらえれば、先輩や上司も一目置くようになり、改善の為の意見も伝えやすくなります。

わからないことは積極的に聞いて伝えることを心がければ、相互に情報や気持ちを共有できて仕事に臨むことができる仲間になれるはずです。
劣悪な職場環境や違法と思われる低賃金が目の前の現状であるのなら、事業所外の適切なところへ相談しなければなりません。

1.ハローワーク
ハローワークでは、介護の仕事に力を入れて就職サポートの為だけではなく、相談窓口としても機能しているので、労働関係の悩みをサポートしてもらえます。
ハローワーク求人ホットラインを開設して、労働基準監督署や都道府県の消費生活センターと連携して該当企業への指導を行う相談窓口もしています。

2.自治体の電話相談窓口
介護事業者は、都道府県や市町村長の指定を受けて指定事業者となる為に、事業者の適正な指導、管理を行うことを目的として自治体が機能しています。介護職員の相談窓口を開設していますので居住する県や市町村の窓口で確認してください。

3.福祉職員の為の労働組合へ電話相談
福祉職員として働く労働者の権利を守る為に労働組合(全国福祉保育労働組合)があります。労働に関する相談を電話やメールで受け付けています。

4.介護職に特化したユニオンへ電話相談
派遣切りや社内いじめに特化したユニオン(労働者個人、異業種、複数企業が加入するもの)があります。労働組合の一形態ですが、個人で加盟できることが特徴で、ひとりでは上げづらい声も専門家のバックアップを得ながら交渉することができます。

5.JSここメン
公益社団法人 全国老人福祉施設協議会が介護職員のために開設した相談窓口で、LINEチャットでも相談できます。
JSここメンのサイト

まとめ

人の思いや考え方は多種多様で、介護職にも多くの悩みがついてまわります。人の世話をする仕事であること、そして世話をする側も人間であることから人間関係の悩みが尽きません。
劣悪な職場環境や違法と思われる低賃金にまつわる悩みも少なくなく、このような介護職員の悩みやストレスに関するメンタルケアは、行政や自治体機関などに相談するようにしましょう。