実務者研修の目的は、介護福祉士の資格取得にあり

介護の仕事に従事している方なら、目指したい資格が介護福祉士ではないでしょうか?2016年度の制度改正で、介護福祉士国家試験の受験資格の条件に3年以上の実務経験と介護職員実務者研修の取得が必須になりました。今回は、実務者研修の内容や要件・目的について説明していきたいと思います。

実務者研修とは

2016年度にあらに実務経験3年以上と実務者研修を修了していることが、介護福祉士受験の要件となりました。実務者研修は未経験からでも受講できます。
通信教育や通学制がありますが、カリキュラムは20科目450時間学びます。 研修は介護福祉士養成校と同じ程度の水準ですので、同等の専門知識がないと難しいこともあり、事前に学習しておくか、最初に初任者研修を受講し基礎知識を学んでから実務者研修に進む方法もあります。

実務者研修の目的

実務者研修の創設された目的は、高齢化が進み介護人材の育成が必要不可欠となったことからです。介護現場で高い専門知識と技術をもった人材育成の目的と介護福祉士になる段階において、実務者研修で同じレベルの知識や技術を学ぶために創設されました。 そのために、これまであったヘルパー制度1級、2級を廃止し、あらたな名称でヘルパー2級は「介護職員初任者研修」、ヘルパー1級は「介護職員実務者研修」へとキャリアアップの統一を図りました。また、これまでの3年以上の実務経験で介護福祉士の受験資格が得られる制度も廃止しました。

実務者研修の流れ

研修期間は通学や通信教育で違ってきますが、標準的に6ヵ月ときめられています。未経験からの受講では450時間ですが、すでに初任者研修を修了している場合は130時間免除となります。
研修期間は通学や通信教育で違ってきますが標準的には6ヵ月ときめられています。

【カリキュラム】
1.人間と社会  
人間の尊厳と自立(5時間)、社会の理解(5時間)、社会の理解Ⅱ(30時間)

2.介護  
介護の基本Ⅰ(10時間)、介護の基本Ⅱ(20時間)、コミュニケーション技術(20時間)、生活支援技術Ⅰ(20時間 )、生活支援技術Ⅱ(30時間)、介護過程Ⅰ(20時間)、介護過程Ⅱ(25時間)、介護過程Ⅲ(45時間)

3.こころとからだのしくみ  
発達と老化の理解Ⅰ(10時間)、発達と老化の理解Ⅱ(20時間)、認知症の理解Ⅰ(10時間)、認知症の理解Ⅱ(20時間)、障害の理解Ⅰ(10時間)、障害の理解Ⅱ(20時間)、こころとからだのしくみⅠ(20時間)、こころとからだのしくみⅡ(60時間)

4.医療的ケア(喀痰吸引、経管栄養)(50時間)
なお、医療的ケアについては講習のほかに演習もあります。

修了試験はあるの?

実務者研修後の試験はありません。講習を修了した時点で修了証を交付されるのが一般的ですが、しかし養成所によっては実施試験を実施しているところもあります。事前にしらべてから養成校を選ぶとよいでしょう。

実務者研修の3つのメリット

①訪問介護事業所でサービス提供管理者になることができます。どこの事業所でも人材不足のため、とても需要があり給与もアップします。
②医療ケアの演習を終了後、たん吸引や経管栄養をおこなうことができます。
③3年以上の実務経験で介護福祉士国家試験の受験資格をえることができます。

まとめ

未経験や無資格でも取得できる実務者研修ですが、介護職に従事している方でしたら様々なメリットがあり、介護福祉士へのキャリアアップも目指せる実務者研修に、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。