突然の事態に焦らない救命講習の必要性

応急手当を行うことは急病人や事故による怪我人が出たとき、その場に居合わせた人が迅速な応急手当を行うことで、その後の治療や救命に良い結果をもたらすことができます。
適切な応急処置をするには日々の心構えも大切ですが、救命講習に参加することで応急手当に関する知識や経験を積むことができます。
今回は救命講習の必要性について解説したいと思います。

応急手当の必要性

応急手当の最大の目的は生命を救うこと「救命」であり、救命処置を最優先で行うことです。生命活動の維持だけでなく、事後の後遺症といった悪化を防ぐための「悪化防止」につながります。
心肺機能が停止し血流がとまることで脳が3~4分で壊死してしまいますので、早めの心肺蘇生法は一刻をあらそう重要な処置となります。

心停止の場合の救急法

応急手当の例として心停止について見ていきたいと思います。傷病者発見から119番通報までにかかる時間は約8.6分かかりますが、心停止の場合1分ごとに7~10%近く蘇生率が低下します。
しかしCPR(心肺蘇生法)・AED(自動体外式除細動器)について理解しておくことで蘇生率が劇的に上昇します。

CPRの実施

CPRは心停止に対する一連の対応です。 救助者は声掛けをし、反応がないことを確認後、呼吸を確認します。次に応援を呼び119番通報で救急隊を呼びます。
その後、1分間に100~120回の速さで胸骨圧迫を30回行います。しかし人工呼吸をともなわない場合は連続して行います。
その後、顎先(あご)を上げ後頭部を下げ気道確保をし、10~12回/分人工呼吸を行います。この動作を2分毎に行い救助隊が到着するまで行います。そして可能であればAEDを装着します。

AEDの有効性と使用方法

AEDとは心室細動(心臓が痙攣し正常に機能しなくなった状態)に対し、電気的な刺激を与えることで心臓のサイクルを正常な状態に回復させる医療機器です。

日本にはAEDが常備されている施設が多く、使用方法を理解しておくことで素早い対応が可能になります。 AEDは蓋を開けると自動的にONになります。
音声ガイドが流れますので電極パッドを胸に貼りショックボタンを押すことで電気ショックを行います。電極パッドを貼る場所も液晶画面で詳細に確認できます。
診断パネルにはバッテリー残量が表示されており仕様期限切れや機器に異常がある場合はランプが点灯します。

普通救命講習

公益財団法人 東京防災救急協会主催で都内の各消防署にて開講されており、前述した心肺蘇生や怪我の応急処置といった様々な応急手当について学ぶことができます。
資格も取得することができ1400円の受講料を支払うことで消防署にて講義を受けることができます。講習をすべて終えると救命技能検定証を修了証として貰えます。

なお、かく自治体や最寄りの消防署においても実施の日程やカリキュラム、受講料が異なりますので確認した方が良いでしょう。

まとめ

不意な事故の遭遇だけでなく、身近に持病を持つ方やご高齢者と同居されている方は、救命講習を受けることで大切な人の命を守ることにつながります。
いざという時のため、あわてずに救急対応ができるように是非、救命講習を受けておくことをおすすめします。