実務者研修の貸付金制度の要綱を紹介

第29回介護福祉士国家試験(2017年)より、働きながら実務経験を経て受験資格を得るには、介護施設などの指定された事業所での実務経験が3年以上という要件に加えて、「実務者研修を受講して修了しておくこと」という要件も追加されました。


介護職員として勤務しており、キャリアアップとして介護福祉士を目指す方にとってはこの実務者研修が大きなネックとなるようです。
その理由は2つあり、ひとつが実務者研修を修了するまでの受講時間。
最大で450時間の受講時間を要するため、勤務している方にとっては職場の理解がなければ受講することは難しいでしょう。
子育て中の方にとっても家族の協力が必要不可欠となります。
もうひとつの理由は実務者研修の受講料金です。
受講料金はスクールによって異なりますが、高額なスクールでは10万円を越えてしまうことも少なくありません。
決して安くはない金額であるため、受講することを躊躇してしまう方も多いのです。
そこで、活用したいのが実務者研修の受講費用の助成制度です。

○実務者研修受講資金等貸付事業の要綱
各都道府県などは実務者研修にかかる費用を貸付してくれる事業を行っています。
地域によって若干内容が異なりますが、貸付金の上限は20~15万円程度で、2年以上介護業務に従事すれば貸付金の返還が免除になる場合がほとんどです。
一般的な利用要綱は以下の通りです。
※2020年2月現在

・制度を利用する都道府県に住民登録をしていること。(資格取得ために転居した等、一部例外あり)
・受講修了後、介護福祉士として登録し、制度を利用する都道府県内等にある事業所において介護業務に従事する意思をもっていること。
・他県等が行っている同様の貸付金制度を利用して貸付金を借受していないこと。

○その他の貸付金制度
働きながら実務経験を経て受験資格を得る場合の貸付金制度を紹介しましたが、介護福祉士を目指すための貸付金制度は、他にもあります。

●介護福祉士修学資金等貸付事業
介護福祉士または社会福祉士を目指して各養成施設に入学・在学しており、卒業後に制度を利用する都道府県内等の事業所で、介護もしくは相談援助業務に従事する意思がある者を対象としています。
入学準備金や就職準備金、在学期間中の学費や生活費等の助成金を貸与してもらうことが可能です。

●職業訓練受講給付金
現在、無職の方で介護福祉士の資格取得を目指す場合には、職業訓練受講給付金を訓練費用の20%(年間上限10万円)まで受給できます。
雇用保険の期間や複数の必要書類があるため、受給を考えている方は地域のハローワークに問い合わせてみましょう。