理学療法士の評価力は臨床実習で培われる

理学療法士の養成校や大学で学んでいる方にとって臨床実習とは、どの様なものでしょうか気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は臨床実習と評価方法も含めて解説していきたいと思います。

■理学療法士の評価の種類

理学療法士が患者さんの状態を観察し、リハビリの方針を決めるための動作分析を行う行為を評価といい、その評価方法には、トップダウン評価とボトムアップ評価の2種類があります。

◎トップダウン評価
トップダウン評価とは、リハビリが必要な対象者に体の動きや動作範囲をよく観察して問題点を見つけて予想し、機能的な評価をすることです。
まずは評価を行う前にリハビリの目標をたてることでADL動作や、どの位の介助が必要なのか見極めることです。そして観察結果を下した関節可動域制限や、筋力低下などの機能的な問題点を絞り込んで動作分析に繋げていくことです。

◎ボトムアップ評価
ボトムアップ評価とは、リハビリが必要な対象者に問題点の改善を目標として、動作に関係する機能的な評価項目をチエックし、測定して数値化する方法です。
測定したら目標とする動作に対して分析して問題点と照し合せ、動作だけでなく、その他の関係する個別因子も含め機能的なことを総合的に測定することです。

■理学療法士の実習とは

理学療法士の養成校では必ず臨床実習がありますが、3年制の専門学校ですと3年生の前期から後期にかけて実施されていることが多く、4年生制の大学や専門学校ですと3年生の後期から4年生前期にかけて行われます。
これまで学校で学んできたカリキュラムとは違って、介護施設や病院で実際の患者さんに対しての実践的な臨床実習となります。

臨床実習では、受け入れ先の施設や病院に実習生を担当する、スーパーバイザーと呼ばれる理学療法士の先生が、理学療法の評価や治療方法を指導してくれます。
初めての臨床実習では、戸惑いや分からない事がいっぱい出てくることでしょう。疑問に思ったことは、すぐに質問して理解できるようにしましょう。

■実習場所はどこで行うの

実習場所は主に病院、クリニック(急性期・回復期・慢性期病棟に分類される)介護施設、特養(介護老人福祉施設)、老健(介護老人保健施設)また、障がい者施設などでの実習があります。

■まとめ

理学療法士とって臨床実習等は、実践に即した評価を実体験することでその力を培い、実技や手法を患者さんに直に触れて治療していく事で学び、成長の場であることがご理解いただけたのではないでしょうか。