背抜きとはどのような行為なのでしょうか? 今回は褥瘡による背抜きの重要性を追求していきましょう。
■背抜きとは?
医療現場での背抜き行為とはベッドをギャッチアップすることにより背中の皮膚や筋肉が引っ張られる行為で皮膚と身体の間のズレに伴う違和感を取り除く方法です。ギャッチアップ後にベッドから背中を離脱させる行為を背抜きと言います。
■背抜きで張れる予防線
◎主には床ずれ予防としての効能
・褥瘡の要因として考えられるのが、同一の姿勢での血管の圧迫や、体重の負荷による身体と皮膚のずれなどによる血行不良が原因で起こります。長時間同一体位でいる場合など圧迫による血行不足で炎症も起こりますので背抜きを行うことでベッドと身体に隙間が生まれ床ずれ予防になります。
◎呼吸器疾患の予防
呼吸機能低下の要因として考えられるのが、寝床に長い時間いることで背中から胸への圧迫が高くなり呼吸する際に肋骨が動作制限されることから呼吸しにくい状態になります。背抜きを行い前かがみになると呼吸しやすくなり結果的に呼吸器疾患の予防になります。
◎違和感や不快感を解消する
同一の姿勢でいることにより圧迫感や背中の張りなどによる不快感を覚えます。このような時にも背抜きで違和感の解消ができます。
■背抜き圧抜き
褥瘡(床ずれ)予防の3大エレメントは、スキンケアと除圧と栄養です。電動ベッドから身体を起こす際にかかとに強い圧力がかかることから背抜きによる圧抜きを行うことで仙骨部の摩擦によるズレを予防できます。
■圧抜きに便利なポジショニンググローブを使用する
褥瘡(床ずれ)の予防に最大限の威力を発揮する圧抜きグローブを使用することをお勧めします。滑る素材でできていて介助者の身体に負担をかけないグローブです。体位交換や除圧だけでなく衣類や寝具のしわ伸ばしなどもできる優れものです。頭部と肩甲骨や骨盤部位、下肢部などの横移動時にも有効に使えます。
■背抜き+マッサージで血流促進を促す。
背抜きにより体圧を分散するのと同時、マッサージ等を行うことで、血流促進をはかることも褥瘡(床ずれ)予防に効果があります。マッサージには以下の効果が期待出ます。
◎血行を良くする
◎筋肉の疲れを取る
◎筋肉のコリをほぐす
◎疲労回復
■まとめ
褥瘡(床ずれ)予防にはスキンケア、除圧、栄養管理、といった3つの要素を適切に管理し、皮膚の状態を可能な限りよい状態で安定させることが重要です。ただし身体機能が低下している患者さんの場合、それだけでは新陳代謝を促進させる血流の改善が追い付かないこともありますので、マッサージなども併用してケアすることをお勧めします。
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